「殺傷事件」喜々津駅で誤報掲示 JR九州が“勇み足”を陳謝

「殺傷事件が発生」と書かれたホワイトボード=諫早市、JR喜々津駅(目撃者提供、画像の一部を加工しています)

 「近くの金融機関前で『殺傷事件が発生』」-。9月30日午後6時45分ごろから2時間近く、長崎県諫早市多良見町のJR喜々津駅にこんな内容を記したホワイトボードが置かれ、近くの交番に問い合わせが相次いだ。同駅の確認不足による誤報と判明。JR九州長崎支社は「利用客の安全を考えた緊急措置と報告を受けたが、誤った情報を伝えた」と“勇み足”を陳謝した。
 同支社によると、同日午後6時半すぎ、同駅窓口に「近くの金融機関前で女性が血を流して倒れている」という情報が複数寄せられ、駅職員が諫早署に電話で確認すると、同署は「捜査中で詳細は言えない」と返答。だが駅職員は「殺傷事件が発生。お帰りの際は十分注意してください」との注意喚起をホワイトボードに書き、同駅待合室に掲示した。通勤、通学客が多い時間帯を考慮したためという。金融機関名も記した。
 その後、市民の問い合わせを受けた近くの交番が「そのような事実はない」として掲示の撤去を要請し、駅が撤去した。同署によると、金融機関の近くでけが人が搬送されたが、事件性はないという。同支社は「警察の要請がない中で、表示すべきではなかった。今後は詳しい情報を把握した上で利用客の安全確保に努めるようにしたい」としている。

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