保護、調査、啓発 20年超 大谷さんに環境大臣表彰

自然公園の保護活動などの功績が認められ、環境大臣表彰を受けた大谷さん=佐世保市、弓張岳展望台

 自然公園の保護と適正な利用に関し、功績があった個人・団体へ贈る本年度の環境大臣表彰に、西海国立公園で保護や清掃活動などに携わる大谷拓也さん(63)=佐世保市中里町=が選ばれた。長崎県では2年ぶりの受賞。大谷さんは「受賞は驚き。今後も自然の魅力を伝えたい」と語る。

 大谷さんは1998年から20年以上にわたり、自然保護の普及啓発に取り組んできた。2010年から今年3月までは鹿子前町の九十九島ビジターセンター長を務めた。12年からは環境省自然公園指導員と県自然環境監視員として、許可を得ずに公園の木を伐採した人やごみを捨てる人に注意するなど、公園の保護や監視に当たっている。
 大阪府出身。長崎大への進学を機に、長崎県に移住した。生きものが好きで大学卒業後は、天草の水族館でカニの研究をしたり、小佐々で漁業関係の仕事に就いたりした。
 ビジターセンター長のとき、九十九島の6島に無人カメラを設置。哺乳類の生息状況を確認した。現在は、有害鳥獣になり得るシカの注意喚起や、佐々川に生息する甲殻類のシオマネキについて調査をしている。
 「海を中心とする国立公園は珍しい。より多くの人に国立公園の存在を知ってもらうため、体験ツアーをつくり、自然と触れ合う機会を提供したい」と語った。

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