4年目を迎えるバスケットボール男子のBリーグは3日、川崎-宇都宮(横浜アリーナ・午後7時5分)のオープニングゲームで幕を開ける。
5戦全敗となったワールドカップ(W杯)日本代表のキャプテンとして世界の舞台に立った川崎の篠山竜青(31)は新シーズンを前に、「つらい経験も含め、世界へ踏み出す一歩はかけがえのないこと。下の世代に伝えることもしていかないと。全部負けたけど、下を向く必要はない」と迷いながらも振り返った。
NBAプレーヤーの八村塁、渡辺雄太らを中心に大会前は“史上最強”と呼ばれた日本代表の期待は膨らむ一方だった。しかし、1次ラウンドの初戦となったトルコ戦では67-86と完敗。篠山は「トルコ戦はそれほど緊張しなかったが、しっかり相手にスカウティングされていて、攻撃ではパスの出しどころをつぶされてしまった」と言う。用意していたオフェンスの選択肢をもっと持っていたかったと痛感した。
続く2戦目のチェコ戦は76-89と接戦を演じた。7得点、4アシストをマークし、チームをコントロールすることなど一定の役割は果たせた。「これを10得点、5アシストくらいまで常に伸ばせるようにしたい」と目指すべきものも見えた。
左足親指を骨折した3戦目のアメリカ戦は45-98の大敗。篠山のW杯はここで終わった。キャプテンは「ボコボコにされてしまった光景がテレビで放送され、バスケをしている人や学生、子どもたちがあの試合を見て何を思うのか。これはW杯に出場しないと経験できなかった」と捉える。
2020年東京五輪に直結する今シーズンのBリーグ。川崎は昨季中地区2位に沈み、チャンピオンシップでも準々決勝で敗退した。今季からアシスタントコーチから昇格した佐藤賢次新ヘッドコーチが就任し、「伝統と変革」を掲げ、新たな挑戦と位置づける。
「今季の川崎には本当に勝ちたいと思う人が加入してくれた。足の経過も順調だし、今年に関しては命を削ってでも川崎で勝ちたい」と篠山。その先には悲願のリーグ制覇、そして、日本代表の大きな挑戦となる東京五輪のコートに立つことである。