ルノーF1はマクラーレンとの技術パートナーシップの拡大を望んでいたが、マクラーレンは関心を持たなかったと、マネージングディレクターを務めるシリル・アビテブールは説明した。マクラーレンとルノーは、2020年末までの現パワーユニット(PU/エンジン)契約を更新しないことを決めた。
マクラーレンは2021年からメルセデスのパワーユニットを搭載することを決定、2024年末までの契約を結んだことが、ロシアGPの週末に発表された。
「マクラーレンはカスタマーとしてのシンプルな関係を望んでいる。我々の提案は緊密なパートナーシップを構築することだった」とアビテブールは語った。
「それにより多くのパーツやエンジンの統合、シャシーのパッケージングといったことを共有するというものだ。だがそうはならなかった」
「全体的なマシンのパフォーマンスにおける我々の立ち位置を見ると、マクラーレンに非常に近く、我々同士の差はほとんどない。だが我々とトップチームの間には壁がある。我々とポールポジションの間には1.8秒程度の差があるのだ」
「そうした差をともに削減することをこの関係の目的にできたかもしれないと私は思っている。機材やパッケージング、設備の面でいっそうの相乗効果を生み出すのだ。また、F1が標準パーツやオープンソースパーツ、デザイン規定の厳格化などによって進もうとしている方向性を考えると、力を合わせてともに努力できる数多くのチャンスがある。コース上で競うなかで、トップとの差をともに縮めるのだ。それが我々のアプローチだった」
「それが私が戦略的パートナーシップについて話をしている理由だ。それは彼らがルノーのジュニアチームやBチームになるという意味ではない。そうならなかったことは確かだし、我々の方でも検討したり試そうとしたことすらなかった。だが我々のアプローチにマクラーレンはほとんど関心がなかった」
「我々は自分たちの指針、価値、また我々の技術とエンジンの価値だと信じているものについて忠実でいる」
アビテブールは、マクラーレンとルノーのパートナーシップについて、フェラーリとハースのそれとは異なるものにすることを提案していたと語っている。
「そういうわけでチャンスは失われた」とアビテブールは嘆いた。「だが我々はやらなければならないことを分かっているし、すべての側面で独立独歩のチームとして進んでいくために、完全な準備ができている」