百日ぜき 流行に注意 既に昨1年間の2倍超 乳児は重症化の恐れも

 激しいせきが特徴の百日ぜきの患者が今年、長崎県内で増えている。1月から9月29日までで41人。既に昨年1年間の17人の2倍以上に達したとして、長崎県は注意を呼び掛けている。

 百日ぜきは、感染者のせきやくしゃみに含まれる百日ぜき菌から感染。初めは鼻水、微熱などの症状が出て、次第に激しく発作的にせきをするようになる。乳児は重症化しやすく、肺炎や脳症を合併する恐れもある。

 県医療政策課によると、全国的に発症者が増えている。県内では8月以降感染者が急増。保健所別では▽県南(島原市、雲仙市、南島原市)12人▽長崎市、五島(五島市)各7人▽県央(諫早市、大村市、東彼杵郡)6人-の順に多い。世代別では7~14歳の10人が最も多いが、乳幼児から壮年、高齢者に至るまで幅広く発症している。

 百日ぜきは初期症状が普通の風邪と見分けづらく、その間に感染が拡大する可能性が高い。他人に移さないためにも早めに病院を受診するのが望ましい。乳児は早期の予防接種が有効で、接種前は人が集まる場所を避けるなど対策する必要がある。

 同課はせっけんで手をしっかり洗うのが効果的とし「インフルエンザなどの感染症の予防にもつながるので、ぜひ徹底を」と呼び掛けている。

© 株式会社長崎新聞社