月山|花と森と稜線歩きが楽しめる!日帰り登山コース2選 山形県の中央部にそびえる出羽三山の主峰、月山。磐梯朝日国立公園の特別区域に指定され、美しいブナの森と高山植物、オコジョなどの野生動物も生息する、自然豊かな山です。山頂には月山神社が祀られ、古くからの修験者による信仰の山でもあります。そんな月山の日帰りの登山コースから、山小屋、アクセス駐車場情報をまとめました。

日本百名山、月山(がっさん)ってどんな山?

  • 標高: 1,984m
  • 所在地: 山形県鶴岡市羽黒町川代
  • 体力レベル: ★★
  • 難易度レベル: ★★

山形県の中央部にそびえる出羽三山の主峰であり、日本百名山のひとつ。磐梯朝日国立公園の特別区域に指定され、美しい自然を楽しめる山です。
約1400年前に開山された長い歴史をもつ月山。山頂の月山神社には農業の神である月読命が祀られ、古くから信仰の山として知られています。

豊かな自然が残る山

麓にはブナの原生林が広がっています。ここでから湧き出る湧水は「名水百選」や「水源の森百選」にも選ばれるほど。
また、高山植物も豊富で、野生動物も多く生息しており、オコジョなどの希少動物に出会えることもありますよ。

月山の歴史

古くはその山容から、“まだらな毛色の牛”を意味する「犂牛山(くろうしのやま)」と呼ばれていました。山岳信仰の場として、修験者や参拝者など多くの人が訪れ、松尾芭蕉も訪れたことがあるといわれています。山頂近くには、その山容を詠んだ句碑がたっているので、是非チェックしてみてください。

「スポーツ県民歌」にも歌われる、地元に愛される山

豪雪地帯のため、冬季は登山が難しいですが、スキーが楽しめると人気があります。スポーツ高揚を目的に作られた「山形県スポーツ県民歌」にも登場する、県民に愛される山です。

選べるコースが豊富

たくさんのコースがあるので、初級から上級まで、レベルに合わせてプランを立てることが可能。また、メインのコースはしっかりと整備されているので歩きやすいです。

月山の登山適期は?

雪深いため、夏山装備で登れる期間は短めです。夏には高山植物のお花畑が広がり、秋には見事な紅葉を楽しめます。
初夏まで残雪があるので、事前に情報収集を行うい、しっかり装備を確認しておきましょう。

天気も必ずチェック

GPSアプリやココヘリも忘れずに!

登山時には必ずGPSアプリなど地図の準備はしておきましょう。また、もしもの遭難時に、登山者を早く見つけ出すことに特化したサービス「ココヘリ」も登山の新常識となりつつありますよ。

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【初級】リフトでらくらく!志津口コース

凡例はこちらをクリック:グレーディング表
西川町側から登る、リフトを利用した初級コース。姥沢登山口からスタートし、リフトで一気に上駅まで上がり、姥ヶ岳を経由して山頂を目指します。

コース詳細

姥沢駐車場から車道を歩いて約15分。ここからリフトで上駅まで行きましょう。

上駅から分岐を左、姥ヶ岳方面へ向かいます。少し急な上りですが、歩きやすい階段状の木道です。

姥ヶ岳は、夏には高山植物のお花畑が広がります。ニッコウキスゲやヨツバシオガマなど、色とりどりの花を見ることが出来ますよ。

姥ヶ岳山頂に到着。これから歩いて行く稜線がキレイに見えます。

ゆったりとした木道が気持ちよく伸びています。徐々に山頂も見えてきます。

金姥あたりの道はキレイな石畳です。ゆるやかに上り下りを繰り返しながら進みます。

この辺りは夏でも残雪が。雪渓の上を歩くこともありますので、事前に状況を良く確認し、雪が多く残っている時には、念のために軽アイゼンなどの装備を携行しましょう。

牛首を過ぎると、突然岩の急登がはじまります。傾斜は急ですが、岩は歩きやすいように階段状に積まれています。ゆっくりと、落ち着いて登りましょう。

急登を登りきると、目の前に山頂である月山神社が見えてきます。参道を上り、鳥居の前を石垣に沿って右に入り、神社の裏へ。

一等三角点のある展望台に到着です。ここからは、北に鳥海山、西には歩いて来た稜線が。更に南には朝日連峰、そして奥羽山脈を見渡すことができます。

帰りは牛首まで戻り、左手、リフト上駅方面へ。リフトに乗って下駅、姥沢登山口へ下山します。

【中級】ブナの森と沢歩きを楽しむ装束場口コース

凡例はこちらをクリック:グレーディング表
ブナの森歩きやちょっとした渡渉が楽しめる中級者向けのコース。ネイチャーセンターを出発し、石跳川沿いに稜線へ出て山頂を目指します。

コース詳細

山形県立自然博物園内ネイチャーセンター横にある装束場登山口からスタートします。

ブナの森の中を、良く整備された道をゆったりと進みます。ブナの他にも、サワグルミやカエデなど、さまざまな木々が茂る、静かな森です。

石跳川に出ると、川沿いを上流へ向けて歩きます。時々石の上を跳ねて川を渡るようなところも。滑りやすいところもあるので、気を付けて進みましょう。

沢を抜け、笹原の木道を進むと稜線に出ます。その手前には装束場(施薬小屋)が。昔はここで装束を整えてから山頂へ向かったそうです。

稜線への道。ここにはコシアブラやミネカエデなどの木々が茂り、緑のトンネルになっています。秋には見事な紅葉に。
金姥の分岐から先は1つめのルートと同じです。

登山時に利用できる山小屋と施設

月山ペアリフト

リフト下駅まで、姥沢口駐車場より徒歩約15分。上り、下り、どちらでも利用できます。

夏山リフト営業期間:6月14日~10月22日
運行時間: 8:00~16:30(天候などにより変更する場合あり)
料金(夏山期間):大人 片道580円(往復1,030円)、子供 片道 400円(往復720円)

月山スキー場 リフト営業時間と料金

月山頂上小屋

山頂にあるこちらの小屋では食事や宿泊(要予約)が可能。
こちらへ泊って、ゆっくり歩くのもおすすめです。

営業期間:6月下旬頃~9月下旬頃
宿泊(1泊2食付き):¥8,400(税抜き)、入浴可(※状況によりできない場合あり)
連絡先:090-8781-7731(シーズン中)、0235-62-2757(シーズン外)

月山頂上小屋

山形県立自然博物園内 ネイチャーセンター

装束場登山口にある自然博物園。その活動拠点となっているのがネイチャーセンターです。登山の相談もできますので、スタート前の情報収集にも活用しましょう。

開園期間:5月1日~10月31日
開館時間:9時~17時まで

県立自然博物園

下山後に利用できる日帰り温泉情報

水沢温泉館

みちの駅にしかわの敷地内にある温泉。町営バスで登山口やJR寒河江駅へもアクセス可能。もちろん駐車場もあるので、車でも利用しやすい温泉です。月山自然水と地ビール工場も隣接しているため、湯上りの地ビールも楽しめますよ。

営業時間:6:00~21:00(4〜11月)、8:00~20:00(12~3月)
料金:大人300円、小人100円
定休日:第2火曜日

水沢温泉館

月山志津温泉/変若水(おちみず)の湯 つたや

(おちみず)の湯 つたや ホームページ

姥沢駐車場より車で約10分。登山口から近いので、車の場合はこちらも便利です。露天風呂からは景色も楽しめます。

利用時間: 11:30〜16:00(最終受付 15:30)
料金:大人800円、小人500円

月山志津温泉/変若水(おちみず)の湯 つたや

アクセスと駐車場情報

公共交通機関利用の場合

【JR山形駅~西川バスストップ(西川IC)】高速バス(山交バス)鶴岡・酒田行き 約40分

◆ 県立自然博物園(玄海広場)へ行くには
西川町営バスで志津野営場まで 約35分

◆ 姥沢(リフト下駅)へ行くには
西川町営バスで姥沢まで 約49分

ぶらり西川ガイド 交通アクセス

車利用の場合

◆ 県立自然博物園駐車場

駐車台数:50台
料金:無料

◆姥沢駐車場

駐車台数:500台
料金:無料
※駐車場間はバスで移動することができます。

西川町ホームページ 路線バスの運行について

豊かな自然に癒される山旅へ

険しい道をガシガシと登る山も達成感があって良いけれど、豊かな森や、雄大な景色を楽しめる稜線歩きも、気持ちが良いですよね。木々や花々を観察しながらのんびり歩くと、自然のパワーが日々のアレコレを洗い流してくれますよ。月山は、そんな癒しをいっぱいくれる魅力が溢れる山です。

【登山時の注意点】
・登山時にはしっかりと装備を整え、充分なトレーニングをしたうえで入山してください(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など)。
・登山路は複数あり、分岐も多くあるので、地図・コンパスは必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合った無理のない計画で登山を楽しんでください。

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