12信漁連 合併合意 富山など21年4月

■財務基盤強化狙う

 富山を含む12都県の漁業者向け金融機関である信用漁業協同組合連合会(信漁連)が、2021年4月に合併することで基本合意し、仮契約を締結したことが4日、分かった。合併推進協議会を7日に発足し「東日本」信漁連の設立に向けた詰めの作業に入る。

 合併するのは青森、岩手に加え、茨城、千葉、東京、新潟、富山、石川、福井、静岡、愛知、三重の各信漁連。仮契約は9月30日付で、対等合併の方針も確認した。富山県内7市町に本支店や営業店を持つ県信漁連(本店・富山市舟橋北町、山田良樹代表理事会長)は「7日の協議会発足前のコメントは控えたい」とした。

 なぎさ(兵庫)、鳥取、徳島、香川、高知の5信漁連が参加する「西日本」と、福岡、佐賀、長崎、宮崎、鹿児島、沖縄の6信漁連でつくる「九州」も年内にも東日本と同様の手続きを始める見通しだ。

 23都県の各信漁連は20年10月にも臨時総会を開いて合併の承認を求め、正式契約を結ぶ計画だ。合併推進協議会では、合併後の組織名称や店舗戦略、役員人事、職員の賃金体系などを幅広く話し合う。各信漁連が抱える不良債権の取り扱いもテーマとなりそうだ。

 信漁連が広域合併に乗りだすのは、事務、管理の業務量やコストを削減し、低迷する融資業務の拡大へ人員を振り向けるためだ。超低金利による利ざやの縮小や人口減少など厳しい経営環境が続く中、財務基盤を強化する狙いもある。

 信漁連の中央金融機関である農林中央金庫は「広域合併は浜(漁村)での金融の発展に向け極めて重要な取り組みで、積極的に支援していく」(担当者)とコメントした。

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