タピオカブームは越冬できるか?「マツコの知らない世界」にも登場した「白いタピオカ」日本初上陸の勝算

あまりの過熱ぶりに「ブームがそろそろ落ち着くのでは?」という見方も出ているタピオカドリンク。ですが、新規出店するブランドが後を絶ちません。

10月11日にはMILKSHOP JAPANが、東京・青山に「白いタピオカ」が特徴の台湾発のドリンクブランド「Milksha(ミルクシャ)」を日本に初出店します。

タピオカドリンクは氷を入れて飲む「コールドドリンク」の印象が強いですが、タピオカブームは気温の下がる秋冬シーズンを乗り切ることができるのでしょうか。


マツコ「コシがあるね、でも柔らかいのよ」

台湾で「迷客夏 Milkshop」という店名で知られ、日本では「Milksha」という名前でオープンする同ブランド。台湾に220店舗、中国や香港、シンガポールを含めると、世界で250店舗を展開しています。台湾での年間売上高は日本円換算で約76億円に上ります。

防腐剤、着色料、香料を一切使用しない、ナチュラル志向で手作りの「白いタピオカ」が売り。Milkshaによると、一般的にタピオカは保存期間が短いため防腐剤を使用することがあり、さらに、その臭いや味を消すために香料や着色料も使われる場合があるといいます。

工場で乾燥・冷凍されたタピオカを、店舗で三温糖とはちみつに漬けて調味。独自のキャッサバ粉と調理方法によって、冷凍しても柔らかく、もちもちとした食感を作り出しています。

店名に「Milk」と入っているように生乳にこだわり、台湾に自社牧場を保有しています。日本の店舗では、自社牧場とテイストの近い濃厚な国産生乳を提携牧場から調達するそうです。

9月11日放送のTBS系「マツコの知らない世界」で紹介された際は、マツコ・デラックスさんが「はちみつタピオカおいしい。コシがあるね、でも柔らかいのよ」とうなり、牛乳についても「コクのある牛乳ね。おいしい」と評していました。

タピオカ激戦区でどう戦う?

同ブランドのグローバルゼネラルマネージャーであるピーター・ホァンさんは、日本進出の理由を次のように説明します。

「日本と台湾は距離的にも、感覚的にも近いところがあると思っています。日本の人たちは品質に対して厳しい目を持っていますが、それは台湾も同じで、(Milkshaは)品質面で支持を得ています。日本でも同様に支持を得られると信じて、今回上陸を決めました」

1号店が出店するのは、青山学院大学のすぐ近く。同じく台湾発の「THE ALLEY」など、少なくとも5店以上のタピオカドリンク店が近距離にひしめいている激戦区です。

ホァンさんは「そもそも、白タピオカを含め、材料の産地直送や加工品を使わないことなど、品質へのこだわりが他社とは全然違います。タピオカをメインで売っていますが、そのほかにも古くから台湾に根付いているものを扱っていたり、品質で勝負をしているので、まったく比較ができるものではありません」と違いを強調しました。

台湾のドリンクはタピオカだけじゃない

第3次タピオカブームが盛り上がってから、初めて冬を迎えることになりますが、「今あるメニューは、基本的にホットでも通年でおいしく飲めるものになっているのが強みです」とホァンさんは説明します。

そのうえで、「台湾のドリンクはタピオカだけじゃない、ということを伝えていきたい」と付け加えます。実は「白いタピオカ」のほかに、同ブランドで人気なのが「大甲タロイモミルク」というメニューです。

撮影用のイメージなので実際のものとは異なります

台中の大甲(たいこう)という地域で収穫したタロイモを店舗でゆで、すりつぶしペースト状にしたものを生乳とミックス。まるでスイートポテトのような甘みを味わえるドリンクになっています。この商品は甘みが引き立つので、ホットで飲むのがおすすめだそう。

今後は、豆乳を使ったドリンクなど、台湾にしかないメニューを日本でも徐々に展開したいといいます。2020年末までに30店舗を日本国内にオープン予定。すでに東京・恵比寿へのフランチャイズ出店が決まっていますが、東京以外の地域にもいずれ出店したい考えです。

短期的にはブランド認知の獲得を狙い、その後に台湾ですでに展開しているプラスティック容器のリサイクル機導入のような、エコ活動にも積極的に取り組んでいきたいといいます。

第3次タピオカブームが終息するのか、それとも広義の台湾ドリンクとして日本に定着するのか。今年の冬をどう乗り切れるかがカギとなりそうです。

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