攻守進化 集中力光る グラウジーズ開幕戦勝利

富山-三遠 第4クオーター、3点シュートを放つ富山の前田=富山市総合体育館(写真部・金田侑香里)

 幸先の良いスタートだ。5日に富山市総合体育館であったバスケットボール男子Bリーグ1部(B1)の富山グラウジーズ-三遠ネオフェニックス戦。富山は87-67で同じ中地区の相手に快勝し、攻守で昨季からの進化を見せつけた。

 第1、2クオーターはライオンズやスミスが得点を重ねたが、相手も3点シュートなどで食い下がり一進一退の状況が続いた。前半を37-37で折り返した。

 第3クオーターは一時7点のリードを奪われたが、途中出場した前田が3点シュートなどで流れを引き寄せた。チームに勢いがつき59-51とすると、第4クオーターも前田を中心に得点し、最後は20点差をつけた。

 試合前のセレモニーで県バスケットボール協会長の野上浩太郎参院議員があいさつした。

 ■途中出場の前田22得点

 若きニュースターが誕生した。富山の22歳前田が途中出場ながら22得点の活躍で快勝発進の立役者に。出番が少なかった昨季のうっぷんを晴らすようにシュートを沈め、「このまま安定した活躍を見せる。新人王も狙う」と意気込んだ。

 第3クオーターで相手にリードを許し嫌なムードが漂う中、交代でコートに立った前田は残り2分32秒にこの日最初の3点シュートを決める。これで「気分が乗った」という。圧巻は最終クオーター。狙った3点シュート4本のうち3本を沈め、「落とす気がしなかった」。シュートは次々とリングに吸い込まれ、このクオーターだけで11得点を挙げた。

 青山学院大4年時の今年1月に特別指定選手として加入。昨季は出場機会が少なく「もどかしい思いをした」が、今季は川崎に移籍した大塚の穴を埋めるべく、開幕戦からいきなり結果を出した。「シュートだけじゃなくてドライブもできる。マルチな活躍をしたい」と頼もしい言葉を残した。(社会部・久保智洋)

 ■課題の守備成長

 富山は昨季の課題だった守備の成長を見せた。激しいマークで相手に圧力をかけ続け、ミスを誘って何度も速攻を仕掛けた。スミスのシュートブロックやライオンズのスチールなど守りでブースターを沸かせるシーンも目立った。

 相手のボール保持者に対しては豊富な運動量で素早く寄せ、少しでも緩いパスが出れば手を伸ばして奪った。ゴール下では常に複数で相手選手を囲み、簡単にシュートを打たせなかった。この日チームで九つのスチールを記録。15本もの三遠のターンオーバーを誘発した。

 特に後半は守備から流れをつくり、大量得点につなげた。ベック監督も「個人での守備も良く、リバウンドの集中力も高かった」と評価した。

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