7台のトップ争い制した中須賀が優勝。地元九州でダブルウイン果たす/全日本ロード第7戦JSB1000レース2

 全日本ロードレース選手権JSB1000クラスは10月6日、オートポリスで第7戦の決勝レース2が行われ、中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が優勝し、地元九州でダブルウインを果たした。

 第7戦オートポリスのレースフォーマットは2レース制。決勝レース2は20周で争われた。前日の予選でレース2のポールポジションを獲得したのは中須賀。2番手は高橋巧(Team HRC)、3番手は水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO.Honda)というフロントロウになった。

 午前中に行われたウォームアップ走行は、前日夜に降った雨の影響でセミウエットコンディションになったため、ほとんどのライダーは数周するだけにとどめていた。お昼前にはサーキットに太陽があらわれ、路面は完全にドライとなった。

 レース2はJ-GP2クラス決勝での赤旗中断により、10分遅れの14時10分からサイティングラップがスタートした。手元の計測で気温21度、路面温度27度のドライコンディションで戦いの火ぶたが切られた。

スタートでトップに立った水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO.Honda)

 ホールショットを奪ったのは2番手スタートの水野。ポールスタートの中須賀は2番手に後退する。4番手スタートの野左根航汰(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)が1コーナー立ち上がりで3番手に上がり、2番手スタートの高橋は4番手に下がる。

 4番手に下がった高橋は第2ヘアピン(10コーナー)で野左根をかわし3番手を奪うが、2周目の11コーナーで野左根が高橋から3番手を奪い返す。

 3周目に入ると渡辺一樹(ヨシムラスズキMOTUL)が1コーナーで高橋をかわして4番手浮上。その後、トップ集団は水野、中須賀、野左根、渡辺一樹、高橋、渡辺一馬(Kawasaki Team GREEN)、岩戸亮介(Kawasaki Team GREEN)の7台に。その後方、約1秒差で加賀山就臣(ヨシムラスズキMOTUL)、秋吉耕佑(au・テルル MotoUP RT)と続く。

レース序盤をトップで走る水野涼(MuSASHi RT HARC-PRO.Honda)

 5周目に入ると岩戸がトップ集団から後退。5周目の終わりには9番手を走っていた秋吉がピットに戻り、マシンをガレージに入れた。秋吉のトラブルは駆動系によるものだった。

 8周目には野左根が1コーナーで中須賀をかわして2番手浮上。9周目には高橋がホームストレートで渡辺一樹のスリップを使って4番手に上がり、前を走るトップ3台を追う。

 9周目を終えると羽田太河(au・テルル MotoUP RT)がピットに入りマシンを降りた。こちらも秋吉と同じく駆動系のトラブルだった。

 レースは折り返しの10周を終えると、6番手の渡辺一樹が徐々にペースダウン。トップ集団は水野、中須賀、野左根、高橋、渡辺一馬の5台となる。

後半戦のトップ集団

■終盤まで意地を見せる水野

 トップグループが動いたのは14周目。まず、野左根が3コーナーで中須賀をかわして2番手に上がると、第1ヘアピン(6コーナー)で水野をインからかわしトップに立つ。その隙に中須賀も水野をかわして2番手に上がった。

 3番手に下がった水野はこれで離されることなく、第2ヘアピンのブレーキングでトップ2台に仕掛け、中須賀をかわして2番手に上がった。

 2番手に上がった水野は15周目に入ると野左根のスリップを使って迫り、1コーナーでトップを奪い返した。その周の17コーナーでは中須賀が野左根をインからかわして2番手を奪取する。

残り4周でトップに立った中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)

 16周目に入ると、中須賀が14コーナーで水野をかわしてトップ浮上。水野はこれに負けずと次周の1コーナーで中須賀に仕掛けるが立ち上がりで少し膨らみ、かわすことができなった。その後、水野は17周目の第2ヘアピンで野左根にも交わされ3番手に後退する。

 残り3周に入ると中須賀と野左根はペースを上げてスパートをかけ始める。3番手の水野、4番手の高橋もこれに食らいついてく。5番手の渡辺一馬はペースを上げられず4台から徐々に離されていった。

 ファイナルラップに入ると中須賀はさらにペースアップ。野左根も0.461秒差で後ろにつくが、最後は迫ることができず。中須賀が地元九州でダブルウインを果たした。2位は0.861秒差で野左根が入った。

チームスタッフと勝利を喜ぶ中須賀克行(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)

 3番手争いはファイナルラップで高橋が第2ヘアピンの10コーナーで水野をかわすと、そのままチェッカー。水野は4位でレースを終えた。

 ポイントランキングでは、ランキングトップの高橋が222ポイント。ランキング2番手の中須賀は211ポイントとなり、その差を11ポイントに縮めた。

 全日本ロードレース選手権第7戦オートポリスのレース2順位結果は以下の通り。

■全日本ロードレース選手権第7戦オートポリス

JSB1000クラス決勝レース2順位結果(20周)

Pos. No. Rider Team Motorcycle Type TotalTime/Delay

1 1 中須賀克行 YAMAHA FACTORY RACING TEAM ヤマハYZF-R1 BS 36’18.354

2 4 野左根航汰 YAMAHA FACTORY RACING TEAM ヤマハYZF-R1 BS 0.861

3 13 高橋巧 Team HRC ホンダCBR1000RR SP2 BS 2.352

4 634 水野涼 MuSASHi RT HARC-PRO. Honda ホンダCBR1000RR SP2 BS 2.553

5 23 渡辺一馬 Kawasaki Team GREEN カワサキZX-10RR BS 7.516

6 26 渡辺一樹 ヨシムラスズキMOTUL スズキGSX-R1000L9 BS 12.112

7 64 岩戸亮介 Kawasaki Team GREEN カワサキZX-10RR BS 20.298

8 75 前田恵助 YAMALUBE RACING TEAM ヤマハYZF-R1 BS 23.032

9 12 加賀山就臣 ヨシムラスズキMOTUL スズキGSX-R1000RL9 BS 34.657

10 35 亀井雄大 Honda Suzuka Racing Team ホンダCBR1000RR SP2 BS 34.912

11 19 濱原颯道 Honda Dream RT 桜井ホンダ ホンダCBR1000RR SP BS 48.681

12 44 関口太郎 Team ATJ ホンダCBR1000RR SP2 BS 48.937

13 95 生形秀之 エスパルスドリームレーシング・IAI スズキGSX-R1000 BS 56.429

14 87 柳川明 will-raiseracingRS-ITOH カワサキZX-10RR BS 56.497

15 71 津田拓也 TK SUZUKI BLUE MAX スズキGSX-R1000 DL 1’07.753

16 18 津田一磨 Team BabyFace ヤマハYZF-R1 BS 1’10.469

17 46 星野知也 TONE RT SYNCEDGE 4413 BMW BMW・S1000RR PI 1’13.639

18 77 伊藤和輝 will-raiseracingRS-ITOH カワサキZX-10RR BS 1’15.419

19 70 清末尚樹 TeamWITH87KYUSHU カワサキZX-10RR BS 1’21.888

20 31 小島一浩 Honda緑陽会熊本レーシング ホンダCBR1000RR DL 1’34.816

21 85 中冨伸一 HiTMAN RC甲子園ヤマハ ヤマハYZF-R1 DL 1’34.921

22 91 吉田光弘 Honda緑陽会熊本レーシング ホンダCBR1000RR DL 1’43.905

23 56 田尻悠人 GOSHI Racing ホンダCBR1000RR SP2 BS 1Lap

24 22 児玉勇太 TEAM KODAMA ヤマハYZF-R1 BS 1Lap

25 30 須貝義行 チームスガイレーシングジャパン アプリリアRSV4RF BS 1Lap

26 78 岡田寛正 HondaブルーヘルメットMSC熊本 ホンダCBR1000RR DL 1Lap

– 37 黒木玲徳 GOSHI Racing ホンダCBR1000RR SP2 BS 7Laps

– 080 羽田太河 au・テルル MotoUP RT ホンダCBR1000RR SP BS 11Laps

– 090 秋吉耕佑 au・テルル MotoUP RT ホンダCBR1000RR SP BS 16Laps

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