扇状地のパノラマ堪能 黒部、ヘリ遊覧ツアー

ヘリの機内から黒部川扇状地の眺めを楽しんだツアー

■絵画展に合わせ描かれた風景紹介

 現代を代表する日本画家、田渕俊夫さん(東京)が上空から見て作品に描いた黒部川扇状地の風景をヘリコプターから眺める遊覧飛行ツアーが6日、黒部市と入善町にまたがる黒部川上空で行われた。参加者は富山湾から平野、山へと続く巨大なパノラマを堪能した。

 黒部市宇奈月国際会館セレネ美術館で14日まで開催中の田渕さんの画業を紹介する特別展「田渕俊夫-至極の日本画」に合わせ、同館が開いた。特別展では、上空から見た黒部峡谷と立山連峰を描いた屏風「大地(黒部川扇状地)」などを展示。画家が見た風景をヘリから眺め、作品の世界観に触れてもらおうとツアーを企画した。

 一般客2人が同館で特別展を鑑賞した後、同市の中ノ口緑地公園からスタッフらと搭乗。黒部川に沿って富山湾から宇奈月温泉までの約40キロを巡った。同館学芸員の中村賢一さんが機内でガイドを務め、扇状地の地形的特徴などを説明した。

 富山市の男性会社員(60)は「絵の世界をヘリから見られるなんて貴重な体験。とても美しい景色で感動した」と目を輝かせていた。着陸後は宇奈月温泉で入浴や昼食も楽しんだ。 (朝日・入善支局長 高野由邦)

秋晴れの中、巨大なパノラマが目の前に広がった
中ノ口緑地公園からヘリに搭乗する参加者

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