「ポイントは中村晃への四球」―山崎武司氏が楽天の“敗因”を解説「あれが痛かった」

3回にソフトバンク・デスパイネに2ランを浴びた楽天・美馬学【写真:荒川祐史】

敗戦のポイントは美馬が中村晃に与えた四球「あれが痛かった」

■ソフトバンク 6-4 楽天(CS・6日・ヤフオクドーム)

 楽天は6日、「パーソル クライマックスシリーズ パ」第2戦でソフトバンクに4-6で競り負け、ファイナルステージ進出に逆王手をかけられた。中盤まではお互い点を取り合う展開となったが、4回に福田のソロ弾で勝ち越しを許すと、5回にはデスパイネの適時打で追加点を奪われ、競り負けた。

 両チームの差はどこにあったのか。楽天OBの野球解説者、山崎武司氏があげたのは、楽天1点リードで迎えた3回2死走者なしの場面で楽天先発・美馬が中村晃に与えたストレートの四球だ。続く柳田に適時二塁打を浴びた美馬は、デスパイネに2ランを浴びて3点を失った。

 山崎氏は「今日のポイントは中村の四球。美馬が2アウトから出して、柳田にタイムリーを打たれて、デスパイネに2ランを打たれた。あれが痛い。“ノー感じ”のフォアボールだった。デスパイネが打ったとか、流れとしてはそうなんだけど、やっぱり出していいフォアボールと出してはいけないフォアボールがあって、美馬は出してはいけないフォアボールを出してやられた。あそこでちゃんと勝負してヒットを打たれたならまだしょうがないけど、あれが痛かった」

 結局、楽天は4回に同点に追いついたものの、逆転はならず。4、5回と1点ずつを失い、敗れた。3回の3点が大きく響く形となってしまったが、山崎氏はこの敗戦は大きく響くものではないと分析する。

敗戦も「やるべきことをやって負けた」、第3戦へ「全然ダメという感じじゃない」

「美馬を4回で代えたのは、いいところじゃないかなと思った。3回で代えても次がいないからね。ただ、平石監督も落としたくない、まだ諦めたくないということで、5回からは盤石の投手陣を出していった。第3戦がどうなるのか、というのはもちろんあるけど、そんなの考えていられない。だから、どんどん出してよかったと思う。楽天はやるべきことをやって負けた。今日に関しては、勝とうとしたけど勝つことができなかった、という状況かなと。

 諦めてしまったら流れが向こうに行っていたけど、平石監督が諦めず惜しげもなく救援陣を使って、食い止めて、最後の最後の少ないチャンスで……とやって負けた。これでよかったと思う。この負けは、選手は仕方ないと思っているんじゃないかな。『全然ダメ』という感じじゃない。『1勝1敗になっちゃったな。明日頑張らなきゃな』と。『明日ヤバイな』という感じでははないと思う。想定内の1勝1敗じゃないかな。『負けたってしょうがない。明日十分に戦える』と思ってるはず」

 第3戦の先発はソフトバンクが高橋礼、楽天は岸。山崎氏は、ポイントはどうしても投手陣になってくると分析する。

「浅村が調子良くてバンバン打ってくれているけど、打線は別にそんなに悪い状況じゃない。やっぱりピッチャーの出来だよね。先発がこの2試合良くないから、こういうふうになってるけど。明日の岸と高橋礼が、どういうふうにゲームを作るかということになると思う。ただ、間違いなくホームという部分に関してはソフトバンクが有利だから、よっぽど楽天が頑張って勝たないといけないというのがある。岸は間違いなく経験あるピッチャーだから、楽天としては期待したいところだろうだけど」

 運命の一戦でどんな結果が出るか。先発投手がゲームを作れないと、チームは苦しくなりそうだ。(Full-Count編集部)

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