日韓交流へ富山の17歳決意 11月に料理・伝承遊び紹介 国際大付属高の福山さん

韓国での研修を振り返る福山さん(中央)と紀久子さん(右)、宮永さん(左)=富山国際大付属高校

 日韓関係が悪化の一途をたどっていることを受け、富山国際大付属高校2年の福山裕海さん(17)=富山市=が、県内の小中学生らに韓国文化を伝えるイベントを11月に開く。韓国料理や伝承遊びを体験する内容を予定。イベントを企画したのは、今夏に高校の研修で韓国を訪れ、現地の人たちと交流したのがきっかけ。福山さんは「みんな優しかった。自分が見た韓国を伝えたい」と話している。 (社会部・相川有希美)

 福山さんら同校の国際英語コースの生徒たちは7月29日から13日間、韓国中部の大田(テジョン)で研修を実施。ソルブリッジ国際大学で英語の授業を受けたり、大田外国語高校の生徒宅にホームステイしたりした。

 7月上旬には日本政府が韓国に対する輸出規制を強化し、その後は両国の対立が激化。一時は研修の見送りも検討されたという。しかし、韓国側から「こんな時こそ“若き外交官”として生徒同士に交流してもらいたい」と連絡があり、実施が決まった。

 福山さんは「出発前は、韓国で冷たくされたり怖い目に遭ったりするのではと不安だった」と振り返る。ところが、韓国の同世代の生徒たちや教師はもちろん、町で出会う人たちも親切で驚いた。日韓の対立に関するニュースが流れた際に、ホストファミリーの人が「気にしなくていい」と言ってくれたのがうれしかったという。「韓国イコール怖い国と思い込んでいたが、親日的で優しい人もいると分かった」と語る。

 帰国後、「自分にできることをしたい」と、自身が代表を務める県内の中高生のボランティア団体「富山こども遊便局」の主催のイベントを富山市で開くことにした。現在は母の紀久子さん(53)と内容を検討中で、子どもたちに韓国文化を体験した感想を書いてもらい、大田外国語高校に送ろうと考えている。

 担任の宮永有季さん(29)は「交流を広げてほしい」とエールを送る。福山さんは「今は難しい関係だけど、大切な隣人だと思う。参加した人が何かを感じてくれるとうれしい」と意気込んだ。問い合わせは紀久子さん、電話080(3046)6479。

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