フカセ釣りについて
フカセ釣りとは、魚を寄せるための餌を撒き、ウキを付けた仕掛けで釣り上げる釣法のこと。
元々は仕掛けにウキやオモリを使わず、糸に針だけを結び餌を自然に漂わせる=フカセていたことからその名前が付けられています。
しかし糸と針、餌の重みだけでは飛距離が稼げなかったため、ウキを使った「ウキフカセ」が考案され、現在主流となっています。
フカセ釣りの対象魚
磯や堤防から楽しめるフカセ釣りでは、様々な魚を釣ることが出来ます。
代表的な対象魚は、メジナ(グレ)とクロダイ(チヌ)です。他にも小型のものではアジやサバ、大型のものではマダイやヒラマサもフカセ釣りのターゲットとなります。
フカセ釣りで使用する餌
フカセ釣りで使用する餌は、「撒き餌」と「付け餌」の2種類があります。
撒き餌は魚を寄せ集めるための餌で、オキアミブロックと複数の配合餌を混ぜて用いるのが主流です。付け餌は針に付けて魚に食わせるための餌で、オキアミが主流となっています。
また魚の食いや餌取りの状況によっては、練り餌やコーンを付け餌に使うこともあります。
フカセ釣りの基本的な釣り方
フカセ釣りの基本的な釣り方の流れは以下の通りです。
1. ①ポイントに数回撒き餌を撒く
2. ②撒き餌の周辺に仕掛けを投げ込む
3. ③道糸を適度に張ってアタリを待つ
フカセ釣りで最も大事なことは、撒き餌と仕掛けを同調させることです。同調とは、撒き餌の中に仕掛けを紛れ込ませることで、これによって魚が違和感なく付け餌を食ってくるようになります。
撒き餌よりも針やオモリが付いた仕掛けのほうが速く沈むため、基本的には撒き餌を撒いたあとに仕掛けを投げて同調させます。しかし、これだけだと餌取りに付け餌を取られてしまうことも。
そのような場合には、餌取りを寄せるための撒き餌と、本命を寄せるための撒き餌を分けて撒き、本命に付け餌を食ってもらう確率を高める工夫も必要です。
フカセ釣りに用いる仕掛け
フカセ釣りでは様々な仕掛けが使われます。それぞれの仕掛けを状況によって使い分けたり、自分が使いやすいものを見つけることで釣果を伸ばせます。
ここでは一般的に使われることが多いフカセ釣りの仕掛けを3種類ご紹介します。
全遊動仕掛
全遊動仕掛とは、ウキ止めを使用しない仕掛けのことです。ウキ下が固定されないため、道糸の送り出し方で表層から底まで探ることが出来ます。
▼メリット
全遊動仕掛のメリットは、水深が固定されていないため、仕掛けと同調させやすいこと。
また魚が餌を食った時にウキの抵抗を感じにくいため食い込みが良くなることが挙げられます。
▼デメリット
アタリがウキに明確に出にくいため、全遊動仕掛ではわずかなウキの変化やラインを見てアタリを取る必要があります。
また道糸操作が上手く出来ないと、餌が狙いの水深まで沈められなかったり、餌が不自然な動きをしたりして釣果が落ちてしまうことがあります。
半遊動仕掛
現在フカセ釣りで最も多く使われている半遊動仕掛。道糸にウキ止めを付けて、狙う水深を絞り込むことが出来ます。
堤防でのクロダイ狙いや、水深10メートル未満のポイントで使いやすい仕掛けです。
▼メリット
半遊動仕掛のメリットは、狙った水深を的確に釣れること。
魚が居る水深に合わせて仕掛けを流したり、底スレスレを狙ったり出来ることが大きなメリットです。
▼デメリット
半遊動仕掛ではウキ止めが気付かないうちにずれていることがあるため、適宜チェックしていく必要があります。
また魚が食い付いた時にウキが引っ張られるため、違和感を与えやすいこともデメリットです。
二段ウキ仕掛
二段ウキ仕掛けは、メインとなるウキに加え小型の「あたりウキ」を付けた仕掛けです。
基本的には半遊動仕掛にあたりウキを取り付けたものと考えておきましょう。
▼メリット
二段ウキ仕掛最大のメリットは、小型のあたりウキによって小さなアタリを取れること。特に食い渋った時には高い効果が期待出来ます。
さらに仕掛けの入り方が分かりやすいこともメリットで、メインのウキとあたりウキの位置関係を見ることで、流れる方向を見極めやすいです。
▼デメリット
二段ウキ仕掛は、風が強い時に使いづらいことがデメリット。
上手く投げないと仕掛けが絡んでしまいがちで、さらに風に伴う水面の波立ちによってあたりウキが見にくくなるため風が強い時には使いにくいです。
フカセ釣りの仕掛け作りで必要な釣り具
フカセ釣りの仕掛けづくりには様々な釣り具が必要です。
以下で一つ一つの役割と選び方、おすすめ製品をチェックしていきましょう。
ウキ止め
ウキ止めは道糸に結んで使うウキ下を固定するための釣り具。半遊動仕掛や2段ウキ仕掛で必須となります。
ウキ止めは見やすさを重視したものを選ぶと、ずれたり外れたりしたときにいち早く気付くことが出来ます。
ウキ
フカセ釣りでは丸くて中に道糸を通して使う「円錐ウキ」を主に使います。円錐ウキは同じ大きさでも浮力の違いがあり、0号~3Bまでを状況によって使い分けます。
浮力は水深によって使い分けるのがおすすめで、水深5メートル程度の浅場を狙う場合は0号、5メートル以上の深場狙いでは G5・B・3Bが使いやすいです。
しもり玉
しもり玉はウキ止めとウキの間に入れて使う釣り具。しもり玉があることでウキ止めが止まり、ウキが沈むようになります。
しもり玉には丸型のものと半月型のものがあります。初心者の方は、ぶつけても割れにくい丸型のものがおすすめです。
ウキストッパー
ウキストッパーは道糸とハリスの結び目の道糸側に取り付けて使う釣り具です。ウキを受け止め、それ以上落ちてこないようにする役割があります。
ハリスが切れてしまった時でもウキを回収できたり、餌を付ける時にウキが邪魔にならないようにしてくれる便利なアイテムです。
潮受けゴム
潮受けゴムはウキストッパーの役割に加え、潮を受けて仕掛けの馴染みをサポートしてくれるアイテム。特に軽い仕掛けを馴染ませるときに大活躍してくれます。
また仕掛けが馴染み切っておらずウキにまだアタリが出ない時に、潮受けゴムの動きで前アタリを捉えることも可能です。
あたりウキ
2段ウキ仕掛で使用するあたりウキ。
小さなアタリを捉えやすく、特に食い渋りの状況で釣果に差をつけられる釣り具です。
サルカン
サルカンは道糸とハリスを接続する小さな金属パーツのこと。環にラインを結べばよいので、ライン同士を結ぶことに慣れていない方は必須のアイテムです。
またサルカンには回転して糸ヨレを抑えてくれる効果もあります。フカセ釣りでは小さなサイズを選んで使ってみてください。
ハリス
道糸の先に結んで使う糸がハリスです。根ズレや魚の歯で切られにくくするため、フカセ釣りではフロロカーボンハリスが主流となっています。
メジナやクロダイ狙いでは、食いの状況や魚のサイズによって1.5~3号程度の太さを使い分けるのが一般的。長さは2ヒロ程度(約3メートル)が使いやすいです。
ガン玉
フカセ釣りではウキの浮力に合わせてガン玉を使用します。
ガン玉はウキの浮力に合わせて1つだけ打つだけでなく、浮力に合わせて2つのガン玉で調整を行う「段打ち」といった方法もあります。様々な重さを使うため、セットになっているガン玉がおすすめです。
ハリ
フカセ釣りの針は、魚種や食いに合わせた様々な製品ラインナップがあります。
まずはスタンダードな製品から使い始めてみましょう。メジナ狙いではグレ針4~6号、クロダイ狙いだとチヌ針1~3号がおすすめです。
磯フカセ釣りに使うロッド
フカセ釣りの中でも人気が高い磯からのフカセ釣り。磯フカセ釣りで使う竿は、長さ5メートル前後で、号数が1~1.5号のものが基本となっています。
最もスタンダードなのは長さ5.3メートル・号数1.5号の磯竿で、まずはこの品番で選んでおけば間違いないです。
磯フカセ釣りに使うリール
磯フカセ釣りに使うリールは、2500~3000番のスピニングリールがおすすめ。
道糸3号を100~150メートル程度巻けるものを選びましょう。また磯フカセでは糸の送り出しがレバーで調整出来る「レバーブレーキタイプ」のスピニングリールが重宝されています。
磯フカセ釣りに使うライン
磯フカセ釣りに使う道糸は、ナイロン2~3号が基準となっています。ライン操作の行いやすさやアタリの取りやすさ、またティップへのライン絡みトラブルにいち早く気付くため、視認性が高いラインがおすすめです。
魅力たっぷりのフカセ釣りに挑戦!
アタリが出た瞬間や魚の強い引きが魅力のフカセ釣り。
難しそうでベテランが行う釣りとして捉えられがちですが、初心者の方も手軽に挑戦できて釣果を得やすい釣りです。
本記事を参考にしながら、ぜひフカセ釣りに挑戦してみてはいかがでしょうか。