豚コレラの感染拡大を受け、神奈川県の黒岩祐治知事は7日、県内の豚へのワクチン接種を可能とすることを求める要望書を江藤拓農相に提出した。県内での感染は確認されていないが、関東地方で発生が確認されていることから「神奈川にもいつ来るか分からない」と指摘。他県とも足並みをそろえ、関東全域でワクチン接種を求めていく考えを示した。
要望書では、感染リスクに応じた都道府県の主体的判断でワクチン接種を認めることを要請。接種後の風評被害の防止やアフリカ豚コレラの国内侵入を防ぐ水際対策の徹底も盛り込んだ。
同日夕には、全国有数の養豚県として知られ、野生イノシシへの感染が確認された群馬県の山本一太知事が神奈川県庁を訪れ、黒岩知事と意見交換した。
山本知事は「(豚コレラの感染は)新たな段階に入った。関東地域で足並みをそろえ、国にワクチン接種を求めていきたい」と協力を要請。黒岩知事は「同じ思い。連携して一緒にやりたい」と応じた。
黒岩知事は面会後、県の判断でワクチン接種が可能になった場合の対応について「接種した豚でも(品質や流通などで)ネガティブなものは何もない。県としてはワクチンを打つ判断をしたい」と述べた。