奮闘の日々を記録 能作社長 初の著書

 鋳物メーカーの能作(高岡市オフィスパーク)の能作克治社長(61)が10日、初の著書「踊る町工場」をダイヤモンド社から出版する。「3K(きつい、危険、汚い)職場」と言われた町工場の社員を15倍に増やし、年間12万人が訪れる産業観光の拠点になるまでの歩みを振り返り、競争ではなく「共創」で成長を目指す経営スタイルを伝える。

 福井県出身で婿入りして経営を継いだ能作氏が、伝統産業の職人の誇りと社会的地位を取り戻すために奮闘した日々を記録。ヒット商品となったスズ100%の食器が誕生した舞台裏や、社員一人一人を「創業者」と捉える社風、営業や売り上げ目標の設定をしない経営方針などを紹介する。

 能作氏は「『楽しむ』ことを何より優先してきたから今の姿がある。読んだ人に前向きな気持ちになってもらえたらうれしい」と話す。四六判240ページで1500円(税別)。

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