日韓関係悪化で分析 県内総生産 影響わずか

 中部圏社会経済研究所(名古屋市)は8日、日韓関係の悪化が与える経済的な影響の分析結果を発表した。シミュレーションでは日本経済への影響は小さく、富山県の実質県内総生産は0.004~0.038%の減少で、全国よりも低いとしている。

 同研究所によると、韓国向け輸出管理の厳格化やその反発などの影響について、世界経済のつながりを考慮した「CGEモデル」を用いて分析。半導体の生産や韓国人訪日観光客の減少、韓国経済の不安定化といった影響を3通りのシナリオでシミュレーションした。韓国の実質国内総生産は11.99~32.19%減少する一方、日本の実質国内総生産は0.01~0.1%の減少にとどまるとした。

 都道府県別の影響は貿易額や韓国人観光客の消費額などのデータを基に案分した。富山など北陸3県は韓国と貿易の結び付きが強いが、輸出入を他国に代替できることや韓国人観光客の消費額が低いことから、影響はいずれも全国より小さいという。

 同研究所は「影響をいたずらに過大評価する必要はない」とする一方、個別企業では大きな損失を被る可能性が考えられるとしている。

 富山県の実質県内総生産は2016年度で4兆4089億円。

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