「10年以上乗ってきた自転車を盗まれました。自転車の防犯登録をしたはずなのに、登録先の協会や警察でデータが廃棄済みと聞かされ、途方に暮れています」との声が、京都市中京区の女性から京都新聞社の双方向型報道「読者に応える」に寄せられた。意外と知られていない、自転車防犯登録の「有効期限」。長年乗っている自転車の防犯登録の扱いは、都道府県によってまちまちだ。
女性は7月9日に京都市内で自転車を盗まれたという。
翌日、中京署木屋町二条交番に届け出ると「防犯登録番号を調べてきて」と告げられた。購入したのは13年前で、自宅を探しても登録カード(控え)が見つからない。購入店に問い合わせたが記録はなく、京都府自転車防犯登録推進協議会(下京区)に問い合わせて「京都府はデータ10年保存」であることを知らされたという。
記者が同協議会を訪ね、データの保存期間や仕組みを聞いた。同協議会は京都府公安委員会の指定団体。防犯登録カードは「自転車防犯登録所」(販売店)から協議会へ送付され、登録データは、協議会と京都府警でそれぞれ管理している。
防犯登録は、都道府県によってデータの保管期間や仕組みがまちまち。京都府の場合、1968年ごろから保管期間は「5年」で運用してきたが、2014年6月1日から「登録した日から10年」になった。滋賀県は「8年」だったが、14年2月から「10年」に。神奈川は7年、大阪は「登録所で7年」で運用している。
京都府自転車防犯登録推進協議会には、自転車を盗まれた人から多い日で5、6件相談がある。京都の場合、自転車の所有者の手元にある控えカード裏面に「有効期限10年」と明記されている。しかし、自転車の所有者には、永年保管だと思い込んでいる人も少なくないようだ。
同協議会によると、京都府の18年度の中古・新車などの防犯登録は約19万5千件。一方で保管期限10年を過ぎた登録データを1日に約400件から500件削除しているという(10月6日の削除は09年10月6日分)。1年で自転車防犯登録がおよそ14万台分抹消されている計算だ。
同協議会は「防犯登録から10年が経過する前に、再登録してほしい」と話している。京都府警も自転車防犯登録データは10年保存で運用している。長年乗ってきた愛車が自分の所有物だと証明できなくならないよう、注意が必要だ。盗まれた時の被害回復だけでなく、防犯登録が消えていると、自転車が撤去され引き取る場合にも、ほかの人に譲渡する際にも、手続きに困ることになる。
自転車防犯登録制度とは
「自転車の安全利用の促進及び自転車等の駐車対策の総合的推進に関する法律」に基づく。登録の仕組みやデータ保管期間は全国共通ではなく、他府県に転居した場合は防犯登録も変更が必要。
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