清水風遺跡から女性と断定できる人物が描かれた土器が出土

 田原本町の清水風遺跡から、弥生時代の女性のシャーマンを描いたと見られる土器が出土しました。当時の祭りにおける女性の役割を知る重要な手がかりになりそうです。    

 今回見つかったのは、たて約12センチ、横約16センチの弥生時代の土器の破片です。

土器には両手を広げた人物が描かれていて、その胸元には女性の乳房と見られる二つのふくらみがはっきりと描かれています。こうした両手を広げた人物が描かれている弥生土器は、田原本町の唐古・鍵遺跡をはじめ、全国で19例見つかっています。

しかし、調査を行った田原本町教育委員会によりますと、いずれも性別が不明で、今回のようにはっきりと女性と断定できる土器は初めてだということです。

また、広い袖の部分にある細かな線は鳥の羽を表現したものと考えられています。これまで出土した絵画土器などから、弥生時代には鳥の姿をしたシャーマンが五穀豊穣を願う「まつり」を司ったと推定されることから、教育委員会では、今回見つかった絵はシャーマンを務める女性と考えています。

田原本町埋蔵文化財センター長 藤田三郎さん
「弥生時代のまつりりごとでシャーマン像というのがなかなかイメージできませんでした、それが今回女性であるということが特定できましたので、男性女性のシャーマンの役割、そういうものが今後、研究が進んでいくと思います」

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