モータースポーツ界への影響やいかに。メルセデスを展開するダイムラー社が内燃機関開発の凍結を示唆

 世界中でEV(電気自動車)の波が押し寄せる昨今、多くの自動車メーカーが次世代へ向けた動きを見せ始めている。その昨今の潮流のなかで、ドイツからひとつニュースを紹介する、。ドイツのモーターウェブサイト、auto motor und sport(アウト・モーター・ウント・シュポルト)によればメルセデスブランドを展開するダイムラー社が内燃機関開発を当面のあいだ凍結すると示唆したのだ。

 国内外問わず、メルセデスブランドで世界中に自動車販売を手がけ、多くのカスタマーとファンを持つダイムラー社。その歴史は100年以上前に遡り、世界で初めて4ストロークエンジンを開発し、販売したことでも知られている。

 またメルセデスは今年11月に開幕する2019/20年ABBフォーミュラE選手権へワークス参戦することが決定しており、同社の現CEO、オレ・カレニウス氏はEV化推進を打ち出していた。

 そんなメルセデスが市販車用の内燃機関開発を当面のあいだ凍結したと、地元ドイツのモーターメディア、auto motor und sportが伝えた。

 同メディアによれば、メルセデスはEV開発に重点を置くため、バッテリーおよびEV向けパワートレインの開発に注力する、とのこと。

F1を含む多くのレースカテゴリーで内燃機関は使用されている

 ことモータースポーツへの影響はどうか。先日のF1ロシアGPではマクラーレンが2020年を最後にルノーとのパワーユニット(PU/エンジン)契約を終了し、翌2021年から2024年までメルセデスと提携することを発表。

 この発表によって2020年を最後にメルセデスは、信憑性は低いながらもワークス活動から手を引き、パワーユニット(PU/エンジン)サプライヤーとしてF1に関与する、との見方も出ている。

 電動化の流れはここ数年、モータースポーツ界にも着実に広がり、2019年には電動バイクレースMotoEがスタート。2020年にはWorldRX世界ラリークロス選手権のサポートクラスとして電動フルEVラリークロスカーが登場する。

 100年に1度の大転換期と言われて久しい自動車業界、主要事業をEVへシフトする動きはダイムラーに加え、フォルクスワーゲンやコンチネンタルなども同様の経営方針を示しており、EV化の波が各メーカーに大きな影響を与えるのは避けらなれない。

© 株式会社三栄