各地の土器集まった三浦半島 古墳時代学ぶ連続講座

鉄器を手に解説する稲村学芸員

 古墳時代前後の三浦半島を題材にした連続講座の初回が9日、横須賀市自然・人文博物館(同市深田台)で開かれた。市民ら約50人が受講し、市内などで出土した土器を手に取り、千数百年前に思いをはせた。

 講座は全8回で、同館学芸員の稲村繁さん(62)が講師を務める。

 稲村さんはこの日、三浦半島では、東海や北陸、北関東などそれぞれ特色のある土器や鉄器が出土していることを挙げ、弥生時代末期から古墳時代に海路や陸路で物資の交易や人の交流が盛んに行われていたことを説明。三浦半島は天然の良港として、海上交通で重要な役割を果たしていたと指摘した。

 また、会場では三浦半島で発掘された鉄器や青銅器のほか、製塩土器などを展示。土器の一部は手で触れることができ、受講者は慎重に手に取りながら肌触りや重さを確かめた。

 市内から夫婦で参加した今川和男さん(72)と、きみさん(70)は「海を通じて全国と三浦半島がつながっていた当時の様子が想像でき、ロマンがある」と話した。

 今後は、長柄桜山古墳群(逗子市、葉山町)や田戸横穴墓群(横須賀市田戸台)に実際に足を運ぶなどして、古墳時代において三浦半島が果たした役割などについて学んでいく。稲村さんは「展示だけでなく手で触れたり、その目で見ることで理解を深めてほしい」と話している。

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