国連英検で外務大臣賞 島原のラフィディナリブさん

賞状を手に笑顔を見せるラフィディナリブさん=島原市南下川尻町

 長崎県島原市で医学・薬学の論文翻訳をしているラフィディナリブ・エリズ・ファビエンさん(49)は、国際連合公用語英語検定試験(国連英検)の最上級資格「特A級」を取得し今年8月、最高賞の外務大臣賞を受賞した。同英検事務局によると「特A級」合格者の中でも、上位3人だけに贈られるという。
 国連英検は日本国際連合協会(東京)主催。1981年に始まり、大学の推薦・編入試験などの評価資格にも認められている。6段階中、ラフィディナリブさんは2016年にA級、18年8月上旬に特A級の合格を果たした。特A級の合格者数などは公表されていないが、狭き門として知られる。
 ラフィディナリブさんは、マダガスカル出身でフランスの医師資格を持つ。1999年に来日し長崎大大学院で、薬学の博士号を取った。2006年、結婚を機に島原へ移住し、妻の英会話教室で講師をしながら翻訳業を開始。現在は主に製薬会社などの依頼を受け、学会提出用の論文翻訳に携わる。
 「仕事の合間を縫い勉強するなどの努力が合格につながった。大臣賞受賞は言葉にならないくらいうれしい」とラフィディナリブさん。「英会話指導などを通し、世界で活躍する夢を持つ島原の若い世代の役に立ちたい。人材育成に貢献することで町の発展にもつながれば」と意気込みを語った。

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