「往復4万円」日本発ローマ行の“爆安”航空券、期間は10月下旬から12月上旬

LCCの定着にともない、日本から海外への航空券の相場がかつてよりぐっと下がったことは広く知られていると思います。ところが、2019年夏ごろから、日本からヨーロッパ行きなどの長距離路線で劇的に安い航空券が次々と登場するようになっています。今回はそのなかでもひときわ爆安な航空券を紹介したいと思います(記事に登場する航空券の価格などはすべて2019年9月下旬現在のもの)。


この秋もっとも安いと筆者が注目しているのが日本発ローマ行きの中国南方航空です。

最も安いのは関空発で、その価格はなんと往復3万円台後半から。実際にはこれに諸経費が加わるので総支払額は4万円台前半となりますが、それでも欧州行きの航空券としては圧倒的に安いといえます。中部発・羽田発はそれよりも少し高くなりますが、それでも4万円台前半でおさまります。

スカイスキャナー

安いのは分かった。でも何か裏があるんじゃないか?と思うのが人情です。そこでこの航空券の長所と短所を考えてみたいと思います。

1、まず第一に所要時間が長い。

たとえば羽田発ローマ行きの場合、途中広州と武漢でそれぞれ乗り継ぎに6時間15分、1時間35分が必要になり、トータルの所要時間は27時間30分かかります。

2、日本人にはそれほど人気の高くない中国南方航空の利用です。

とはいえ、イギリスのスカイトラックス社の世界ランキング(2019年は14位。オーストリア航空やニュージーランド航空よりも上位につけています。ランキングの妥当性に疑問を持つ人もいるかもしれませんが、LCCとは異なり、機内食はもちろんアルコールもすべて無料です。たくさん飲む人なら航空券代の1割は飲み物代で元をとってしまうのではないでしょうか。預け荷物ももちろん無料ですが、乗り継ぎ空港でのロストバゲージなどのリスクを考えるとできるだけ機内持ち込みにとどめたいものです。

※SKYTRAX(スカイトラックス)社による航空会社ランキングWorld’s Top 100 Airlines 2019

3、マイルはどのくらい貯まるのでしょうか。

ワンワールドやスターアライアンスではなく、スカイチーム加盟の航空会社なので、JALやANAにマイルを貯めることはできません。予約クラスを調べたい場合は、エクスペディアの検索結果で「フライトおよび手荷物料金の詳細を表示する」というところをクリックすると区間ごとの予約クラスが表示されて便利です。中国南方航空の予約クラスはKクラス(羽田~広州間)かNクラス(広州~ローマ間)であることが分かりました(便によって異なるケースがあります)。

エクスペディア

予約クラスごとのマイル加算率が航空会社別に表示される「WhereToCredit」で加算率を調べてみましょう。

羽田~広州はアメリカン航空やデルタ航空に加算率50%

広州~ローマはデルタ航空に加算率25%

トータルのマイル数はGreat Circle Mapperによればデルタ航空に4749マイル加算されます。1マイルの価値を低めに見積もって1円と考えても4万円そこそこの航空券でその1割以上がマイルとして還元されるわけです。昨今の安いエコノミークラスの航空券は加算率50%が事実上の上限。そういう意味ではこれだけ安いにもかかわらずきちんと加算されるだけ「儲けもの」といえるでしょう。

前述したスカイスキャナーによれば、このローマ行き「爆安」航空券は10月下旬から12月前半までが対象期間。この秋、これに乗っかってローマ行きを計画してみてはいかがでしょうか。

※航空券の値段は日々変動しますのでご注意ください。

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