バーンスタインが札幌に託した“最後の夢”。30回目を迎えたPMFの軌跡に迫る!

UHB北海道文化放送で10月12日、PMF30回記念特別番組「音楽は、すべてを超えて~バーンスタイン最後の夢・PMF~」(午前10:55、北海道ローカル)が放送される。今年30回を迎えた国際教育音楽祭・PMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌)の歩みを振り返るとともに、2019年夏、北海道・札幌で行われた感動のステージの舞台裏を伝える。

「ブラボー!」「ブラボー!」
2019年夏、札幌に新たな音楽の伝説が生まれた。100人を超える若者たちのオーケストラに、札幌の子どもから大人まで約450人もの市民で結成された合唱団も加わったマーラーの「千人の交響曲」。これまで聴衆も経験したことのない、あまりにも壮大な音の世界。会場は熱気と魔法のような空気に包まれ、割れんばかりの喝采と拍手がいつまでも続いた。

今から29年前。1990年に始まったPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌)。名作「ウエスト・サイド物語」の作曲家として、または世界的な指揮者としても知られる音楽界のスーパースター、故レナード・バーンスタインの熱い情熱によって創設された国際教育音楽祭だ。

集うのは、世界中の“音楽家のたまご”たち。これまで延べ76カ国の3500人以上が参加。19年はアジア、アメリカ、ヨーロッパなど27の国と地域から100人(平均年齢24.1歳)が、厳しいオーディションを勝ち抜き、ウィーン・フィルやシカゴ響など世界一流の演奏家を指導者に招いて特訓を受ける。彼らは、国境や人種などを超えた“35日間だけのオーケストラ”だ。

マエストロ、エッシェンバッハは言った。
「若者たちが、この札幌の地に一緒に住み、一緒に楽しみ、一緒に音楽をつくっていく…私たちはここで、お互いに“誤解しようにもできない”、ひとつの気持ちになって、素晴らしい音楽を作り上げていくのです!」「(マーラーの千人の交響曲は)ひとつの壮大なメッセージを作り上げています。それは、平和をつくり上げていくことです。政治的なこと、宗教、人種、すべてを超えるのです。この場所(札幌)で、この曲を演奏することは、とても重要なことなのです」

難関のオーディションを突破し、札幌で出会った若者たちの約1カ月の滞在。ライバルか? 友達か? 探り合いながら始まった練習。オフは思いっきり楽しみ、そして、リハーサルと本番を重ねていくごとに成長していく彼らは、札幌で何を得たのだろうか。

同番組では、今年の練習やステージの模様とともに、29年前のバーンスタインの開催当時の様子、今だから話せる秘話を明かす。30回目を迎えた国際音楽祭。若者たちに、バーンスタインの「音楽による平和の貢献」という遺志は伝わったのか。どんな音楽を奏でてくれたのだろうか。

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