【台風19号】大きな浸水被害はなし 城山ダム緊急放流

城山ダム=2018年6月

 台風19号に伴う大雨の影響で相模川上流の城山ダム(相模原市緑区)が決壊する恐れがあるとして、県は12日午後9時半ごろ、「緊急放流」を実施した。約4時間の放流で川の水位上昇が見られたが、13日夕までに大きな浸水被害は確認されなかった。県が管理するダムでの緊急放流は初めて。

 県によると、最大放流量は1秒当たり約4500立方メートル。緊急放流後、中流域の相模大橋(海老名、厚木市)で午後11時50分ごろに氾濫危険水位を超えた。

 緊急放流はダムの決壊を防ぐため、流入量と同じ量の水を放流する措置。相模川両岸の6市2町は大規模水害が発生する恐れがあるとして、浸水想定区域内に避難指示(緊急)を発令するなどして対応した。

 緊急放流を巡っては、県は12日午後1時ごろ、「同5時に始める」と発表。想定よりも降雨量が少なかったことから同4時半ごろに見送り、「実施する際は1時間前に発表する」としていた。その後、同9時ごろに「同10時に開始する」と改めて発表したが、「降雨が予測を超え、危険な状況となった」として30分前倒しして同9時半ごろに緊急放流を実施。13日午前1時15分ごろに終了した。

© 株式会社神奈川新聞社