台風19号の影響で観測史上最大となる1000ミリの雨を記録した箱根町は、複数箇所での土砂崩れや芦ノ湖湖畔の冠水など甚大な被害に見舞われた。一夜明けた13日も幹線道路や鉄道が寸断されるなど、被害の全容把握は困難な状況。町民生活に深刻な事態がしばらく続きそうだ。
町などによると、町内の土砂崩れは少なくとも7~8カ所で発生した。箱根登山鉄道では、宮ノ下-小涌谷駅間で起きた土砂崩れに線路が巻き込まれ、数メートルにわたり枕木ごと流出。箱根湯本-強羅駅間で長期間の運休を余儀なくされる。
同町強羅では12日夜、旅館の1階浴室で裏山から流入した土砂に埋まっていた従業員の女性(59)が見つかり、救急搬送された。女性は軽傷という。
最大雨量を記録した12日は、坂道の生活道路を降雨が勢いよく流れるなど町内の至る所で冠水がみられた。芦ノ湖は氾濫危険水位を超えたまま水位が下がらず、13日も元箱根などで浸水被害が続いた。
早川が増水した影響で、箱根湯本駅近くの飲食店や旅館でも床下浸水などの被害があった。秋の3連休中日で晴天に恵まれたものの休業する店もあり、観光客の姿はまばらだった。