【台風19号】箱根、深い爪痕 続く運休、芦ノ湖水位上昇

ボート乗り場も冠水した=14日午後0時45分ごろ、箱根町元箱根

 台風19号の影響で観測史上最大となる1000ミリの雨を記録した神奈川県箱根町内は、2日がたった14日も土砂崩れや冠水による幹線道路の通行止めや鉄道の運休が続いた。水位が上昇した芦ノ湖では遊覧船や観光船が運航を見合わせ、乗り場周辺は冠水している。

 伊豆箱根鉄道によると、運営する遊覧船の元箱根港の乗り場(同町元箱根)建物内は、最大雨量を記録した12日から一夜明けた13日午前6時半の時点で約30センチ浸水。翌14日午前9時には約10センチまで下がり、正午には水が引いたため、職員は電気設備の安全確認や清掃などに追われた。桟橋も冠水が続き、同社の広報担当者は「水位が下がらなければ遊覧船の営業再開はしばらくできず、先が見えない」と話す。

 箱根町港(同町箱根)でも14日には、箱根海賊船の乗り場の冠水はおおむね収まったものの、付近の駐車場は深いところで膝上まで水に漬かった。ボート業の男性によると、周辺のボート小屋が数軒半壊。男性は「12日の昼すぎには水位が上がり、夜に一気に増えた。30数年前にも芦ノ湖の水があふれることはあったが、今回は当時よりもひどい」と表情を曇らせた。

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