高さ10メートル以上 白狐妙技「竹ン芸」 若宮稲荷神社で奉納

2匹の白狐が妙技を披露し見物客を沸かせた「竹ン芸」=長崎市、若宮稲荷神社

 長崎県長崎市伊良林2丁目の若宮稲荷神社で14、15の両日、男狐(おぎつね)と女狐(めぎつね)に扮(ふん)した男たちが、高さ10メートル以上の青竹の上で妙技を披露する「竹ン芸」(国選択無形民俗文化財)が奉納された。県内外から詰め掛けた参拝客が境内を埋め尽くし、歓声や拍手を送った。
 竹ン芸は神社の秋の大祭で、五穀豊穣(ごこくほうじょう)や商売繁盛を祈願して奉納する神事。神の使いである狐が竹林で遊ぶ様子を表現しており、竹ン芸保存会(後藤清輝会長)のメンバーが、はやしの音に合わせ、命綱なしの芸を披露する。
 奉納は2日間で計5回あり、最初の奉納では池田一晃さん(25)と光嶋広之さん(40)が雌雄の狐を演じた。2人は竹を大きく前後に揺らしながら宙に半身を投げ出したり、逆さになってぶら下がったりして観衆を沸かせた。光嶋さんは「緊張していたので無事に奉納できてよかった。自分なりに丁寧に、いい演技ができた」と充実した表情を浮かべた。
 子狐の演技もあり、村中響君(11)と律世君(5)の兄弟、今年がデビューとなった三浦蓮虎(れんと)ちゃん(3)の3人が登場。高さ5メートルの竹に登って手を振ったり、逆上がりをしたりして観衆を魅了した。蓮虎ちゃんの父で、自身も男狐として出演した健さん(25)は「自分の演技より子どもを見るのが緊張した。いつか男狐と女狐として親子で共演したい」と願っていた。

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