【台風19号】強風で体育館に穴 屋根飛ぶ 三浦半島

台風19号に伴う強風で壁面に穴があいた市立剣崎小学校の体育館=三浦市南下浦町松輪

 三浦半島エリアで台風19号による被害が拡大している。三浦市内では小学校の体育館の壁面が損壊するなど強風による建物被害が相次ぎ、横須賀市内では工場の屋根が飛散したことが明らかになった。各自治体は状況の取りまとめを続けている。

 三浦市防災課によると、15日午後5時現在、市内で半壊3棟、一部損壊26棟の被害を確認している。このほか、市役所庁舎や小中学校など37公共施設で建物被害があった。

 江奈湾に面する市立剣崎小学校(同市南下浦町松輪)では、鉄骨造りの体育館壁面に穴があき、屋根の一部がはがれた。体育館の使用を取りやめ、体育の授業は校庭や校舎内で行う。市立南下浦小学校(同市南下浦町菊名)でも、体育館の屋根が一部でめくれ上がった。

 住宅被害は、三崎地区で多発した。76歳と71歳の姉弟が住む木造平屋は強風で屋根が全てはがれた。

 9月の台風15号では大きな被害がなかったが、今回は19号の上陸前の12日昼、自主避難所に身を寄せていた。70年以上前に家族で移り住んだという自宅には現在、ビニールシートがかかる。姉弟は「まさかこんな被害になるなんて」と語った。

 横須賀市では、台風の強風により工場2棟の屋根が飛散し、周囲に被害が出たことが新たに分かった。

 市などによると12日夜、鉄製の屋根の一部が敷地外に飛散。近くの住宅やアパート、別の工場にぶつかったほか、近くの道路をふさいだ。飛散した屋根は13日中に撤去されたという。

 また逗子市内では、崖崩れが1カ所で発生。住宅の一部損壊は32棟に上っているという。

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