台風19号の被害は京都、滋賀に本社を置く企業の拠点にも及び、各社は従業員の安否確認や取引先の被災など情報収集に追われた。
フォークリフト大手、三菱ロジスネクスト(京都府長岡京市)の販売子会社が福島県郡山市に持つ支店では事務所と併設のサービス工場が大雨で床上浸水した。パソコンなどが使えなくなり、保管するフォークリフトなどの車両約40台も水没。同子会社の宮古営業所(岩手県宮古市)も床下浸水した。
モーター大手の日本電産(京都市南区)は、長野県安曇野市の精密小型モーター製造子会社「穂高日本電産サーボ」の工場の外壁が強風で破損した。生産に影響はないという。
宅配大手の佐川急便(同区)は、道路浸水などの被害が出た宮城県と長野県の一部地域で荷物の集配を中止した。関東から北海道に宛てた荷物も一部の引き受けを取りやめている。
製造業を中心に各社は関東・甲信越や東北地方で多発した河川の氾濫を受け、拠点や従業員の被災状況の把握を急ぐとともに、物流やサプライチェーン(調達・供給網)への影響を調べている。