ICTで出荷効率2倍 NIC 愛知事業所に新ライン

15日から稼働したNIC愛知事業所=愛知県清須市

 エヌアイシ・オートテック(NIC)は、愛知事業所(愛知県清須市)でアルミ構造材「アルファフレーム」の出荷作業を効率化する新たなラインを導入した。情報通信技術(ICT)を生かし、生産性は従来の2倍に向上する。NICは、同様のシステムを富山県内など他の拠点にも展開し生産性を高めていく考えだ。(経済部・池亀慶輔)

 愛知事業所は15日に稼働した。新たなラインでは、ペーパーレス化やタブレット端末などの活用を通じてデータのやりとりをスムーズにする。作業指示書の情報を速やかに現場に伝えられるようにしたほか、受注データを装置に直接取り込める体制を構築。作業時間のロスを抑えることができる。

 新ラインの稼働に伴い、これまでと同じ作業人数でも処理能力は2倍になることが見込まれる。NICは、立山町や福岡県などの事業所にも導入する方針だ。

 愛知事業所のオフィスには、社員が固定の座席を持たず、空いている席を自由に選んで仕事ができる「フリーアドレス」方式を採用した。社員同士のコミュニケーションを活発化し、意思決定のスピードアップや新たな発想につなげる狙いがある。

 同事業所は鉄骨2階建て延べ1884平方メートル。総投資額は9億円。自動化・省力化(FA)装置の生産能力を2020年度までに現行の1.5倍に引き上げる。名古屋市の旧愛知事業所の生産など全ての機能を移した。人員規模は30人でスタートし、近く50人に増やす計画だ。

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