苦境からV字回復 奈良の事例を学ぶ 県商店街振興組合連

商店街活性化について考えたセミナー=県民会館

 県商店街振興組合連合会(橋爪宏昌会長)は16日、県民会館でまちづくりセミナーを開いた。奈良市中心市街地活性化研究会長の松森重博氏が、若手起業家を呼び込み苦境からV字回復した同市の餅飯殿(もちいどの)センター街の取り組みを紹介した。

 松森氏は同商店街の協同組合理事長を務める。同商店街は、閉店したパチンコ店の土地建物を買い取り、2007年に12平方メートル程度のスペースを起業家に安い賃料で貸し出す施設「夢CUBE」に再生。20~40代の若手が出店したことで活気づき、地価が上昇した。

 3年間の入居期限を過ぎた後も近くで営業を続ける起業家がおり、店舗数は施設開業前の1.5倍の107店に増えた。松森氏は「商店街が若返り、既存店舗の後継者が触発されて戻ってくるようになった」と話した。約50人が出席した。

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