「使い道を明確に」と指摘 宿泊税検討委が初会合 長崎市、2021年度導入目指す

 長崎市は15日、観光客の受け入れ環境整備などのため、宿泊者に課税する「宿泊税」の導入を検討する委員会(委員長・西村宣彦長崎大経済学部教授)の初会合を市役所で開いた。市は税率設定3案を提示したが、委員からは「まずは税収の使い道を明確に示すべき」と指摘が相次いだ。
 宿泊税は地方税法に基づく法定外目的税。導入には総務大臣の同意が必要。東京都、大阪府、京都市、金沢市が導入し、宿泊料に応じて100円~千円の税を課している。
 検討委は経済団体や旅行関係者など6人で構成。市は年度内に4回の会合を開き、2021年度の導入を目指している。ただ、市旅館組合によると、宿泊客約1270人を対象にした調査で76%が反対し、多くの宿泊事業者はデメリットを懸念している。
 市が示した税率案は(1)1泊一律100円(2)宿泊料5千円以上1万円未満は1泊100円、1万円以上は1泊200円(3)1泊一律200円。いずれも修学旅行生は免除する。税収は(1)が2億5千万円、(2)が3億円、(3)が5億円を見込む。
 市は税の使い道として来訪者の受け入れ環境の充実や魅力発信などに充てると説明した。各委員は「宿泊業者も納得できるような使い道を説明してほしい」「観光施策にいくらかかるから宿泊税がいくら必要という視点が必要」などと使途を明確にするよう求めた。

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