腸内環境検査の試薬開発 ニッポンジーン 

 金剛薬品グループのバイオベンチャー、ニッポンジーン(富山市問屋町、金山晋治社長)は、大阪大大学院やコニカミノルタ(東京)が進める腸内環境の「見える化」プロジェクトの解析装置向け試薬を開発した。解析が実用化すれば手軽に測定できるようになり腸内環境を改善して健康増進につなげる「腸活」に役立つ。(経済部・池亀慶輔)

 ニッポンジーンは、同プロジェクトに参加しており、ビフィズス菌や乳酸菌といった特定の腸内細菌を検出するための試薬を提供した。今後、実証実験で試薬を用いる。従来は数十日かかっていた腸内細菌群の構成バランスの測定を最短1日でできるようになるという。

 人の腸管内には数百種類、数百兆個に及ぶ重さ約1キロの細菌があるとされる。この細菌群が生息している様相を花畑(フローラ)に例えて「腸内フローラ」と呼ぶ。腸内フローラは人によって異なり、人の健康にさまざまな影響をもたらす。

 偏った食事や運動不足、抗菌薬の多用、強いストレスなどの影響で腸内フローラの細菌群の構成バランスが崩れると、炎症性の腸の病気やアレルギー、肥満、メタボリック症候群、糖尿病などさまざまな病気につながると指摘されている。

 プロジェクトでは、こうした腸内フローラを手軽に検査できるサービスの提供を目標としている。自宅でふん便を採取して簡単に検査できるキットを開発し、検査結果に応じて生活習慣改善などのアドバイスを行う。ニッポンジーンは、これまで培った研究機関向け試薬の技術を生かし、実用化に協力する考えだ。

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