どの方法が速いか「プラティパス乾かし方選手権」をやってみたら、予想外の展開に コンパクトに収納でき、携行にも便利なソフト素材の水筒[プラティパス]。登山に行くときは必ず持っていくという人も多いのではないでしょうか。そんな人気のプラティパスですが「乾かすのに手間がかかった」という経験はありませんか?今回は多くのユーザーがモヤモヤしてる『プラティパスの乾かし方』に決着をつけるべく、プラティパス乾かし方選手権を開幕します!そして波乱の大会は思いもよらない展開に!

プラティパス、便利だけどなかなか乾かないよね…

高い携行性と耐久性を備えたソフトボトル[プラティパス]
水分補給の必須アイテムとして、登山やハイキング、トレランなどで愛用している方も多いのではないでしょうか?

でもこのプラティパス、使い終わった後なかなか乾かないんですよね……。
「何日も干しているのに水滴が取れない」「もっといいやり方はないのか」とモヤモヤした経験はありませんか?

水滴が残ったままの状態はいろいろ不衛生

水滴がついたままの状態は衛生的にいいとは言えません。
密閉されたプラティパス内は、そのままにしておくとカビの原因になったり、いやな匂いの元になることも。
しっかり乾燥させてから保管することで、内部を清潔に保つことができます。

いろんな乾かし方があるけど、実際どれがいいの?

ネット上で「プラティパスの乾かし方」を検索すると、さまざまな方法がヒットします。
でもいろんなやり方が溢れていて、どれが本当に「効率的」「手間がかからない」かは判断が難しいのところ。

今回はそんな多くの方が悩みを抱えている「プラティパスの乾かし方」に決着をつけるべく、最適な乾燥方法を検証していきたいと思います!

【上向き VS 下向き 】乾きやすいのはどれ?【新品 VS 使用済】

まずは基本的な乾かし方で、どれが最適かを検証していきます!

道具を使わずそのまま干すだけの「上向き」「下向き」、また「新品」「使用済」のプラティパスで違いがあるかを探っていきたいと思います。

【検証内容】
・「上向き」「下向き」は2Lタイプの「新品」を使用。「使用済」は4年使いこんだ1Lタイプを「上向き」で検証
・プラティパスに入れた水を捨てた後、ブンブン振って水切りをし、内部に空気を含ませてから計測スタート
・先に内部が乾燥した方、もしくは夕暮れになった時点で水滴が少なかったモノを勝者とする
【この日の天候】
気温:21℃ 湿度:68% 天候:晴れ時々曇り、時折強風あり

それでは計測スタートです!

<途中経過>

開始2時間、目に見えて差が開きました。「使用済」のプラティパス内はまだかなり湿っている状態です。
また「下向き」も「上向き」に比べて表面に水滴が残っているのがわかります(このとき「上向き」は底や端に水滴が残っている状態でした)

【計測終了】上向き(新品)があっという間に乾燥

3時間が経過し早くも勝者が決まりました。「上向き(新品)」の勝利です。
せっかくなので他の2つの経過も見てみました。

<7時間経過>

日が暮れるまで干してみましたが、結局「下向き」と「使用済」が完全に乾ききることはありませんでした。

これで「通常の乾かし方」で効率的な方法がわかりましたね。
ここからはいよいよ、道具を使って検証です。ネット上で紹介されている方法や筆者が思いついた技を使って、とことん追求していきます!

「第一回 プラティパス乾かし方選手権」開幕ッ!

選手権の開幕にあたり、「最適な乾かし方」をテーマに使えそうな道具を用意しました。

これらのアイテムを使って、以下の内容で検証したいと思います。

【検証方法】
・新品の2Lタイプを使用。「乾かし方=干す」の場合は、上向き乾燥を隣に置いて比較検証
・プラティパスに入れた水を捨てた後、ブンブン振って水切りをし内部に空気を含ませてから計測スタート
・内部の99%が乾燥、もしくは乾燥が見込めない場合に計測終了とする
【選手リスト】
エントリーNO.1:ドライヤー
エントリーNO.2:無水エタノール
エントリーNO.3:珪藻土スティック
エントリーNO.4:てぬぐい差しこみ
エントリーNO.5:キッチンペーパーシャカシャカ

【エントリーNO.1】ドライヤー

「乾燥といえばこれ!」ということで「ドライヤー」の登場です。
本来は髪を乾かすための道具ですが、プラティパスのような素材にも効果はあるのでしょうか。

【乾かし方】
ドライヤー(1200W)の温風をプラティパスにひたすら当てる

それでは計測スタートです!

<途中経過>

(飲み口以外にもボディなど全体に温風を当てて検証)

5分が経過し水滴はやや蒸発している様子です。
ちなみにドライヤーの熱は100〜120℃なのに対し、プラティパスの耐熱温度は90℃
容器も熱くなっており、プラティパスが溶けたり変形しないか心配になってきました……。

【計測終了】省エネにつきタイムアウト

10分ドライヤーを当て続けた段階で、水滴はまだ所々に残っている状態でした。
この後も気になるところですが、これ以上の検証は電気がもったいないのでタイムアウトとします。

まだまだ屈強の選手が控えています!次へいきましょう!

【エントリーNO.2】無水エタノール

続いては、高濃度の殺菌・消毒力と蒸発力を兼ね備えた液体「無水エタノール」がエントリーです。
ネットでは「プラティパス内を消毒しつつ、あっという間に蒸発させてしまう」との情報も。

どんな効果が現れるか期待です!

【乾かし方】
①水を切ったプラティパスにキャップ1杯の無水エタノールを入れ、水滴を取り込むようにまんべんなく行き渡らせる
②上向きで乾燥させる

それでは計測スタートです!

<途中経過>

まず無水エタノールですが、使用する際にはグローブをした方がよさそうです。液体がついた右手がカサカサになってしまいました。
天気もいいので、1時間経過時点でどちらもいい感じの乾き具合です。
※写真だとわかりにくいですが、無水エタノールはヌメっとした感じで内部に残っています

【計測終了】通常の乾燥よりも若干速いけど、いろいろ不安が残る

2時間30分が経ち無水エタノールのプラティパスが乾燥したので、ここで計測終了とします。
同時に、通常の乾かし方もほぼ乾いている状態でした。感覚的に無水エタノールの方が「若干速いかな?」という印象です。

【エントリーNO.3】珪藻土スティック

「何かいい乾燥グッズないかなー」と検索していてヒットしたのがこの商品。

日用品でも人気の100円ショップで手に入る「珪藻土スティック」がエントリーです!

【乾かし方】
水切り後、飲み口部分にスティックを投入し上向きで乾燥

それでは計測スタートです!
※珪藻土とは、ケイソウという藻が化石になった天然素材のこと。吸湿性に優れた性質があります。
<途中経過>

この時点では目に分かるほどの差はありません。

【計測終了】う〜ん…まあ若干速いかな?

3時間経過時点で珪藻土スティック入りのプラティパスが乾燥。ここで計測終了です。
画像を見ると通常乾燥の方はわずかに水滴が残っているのがわかります。

【エントリーNO.4】てぬぐい差しこみ

ここで今大会の本命「てぬぐい」が参戦です!綿素材なので吸収性抜群です。
ネット上でも評判の高い「てぬぐい差しこみ」はどんな力を発揮するでしょうか。

【乾かし方】
水切り後、飲み口部分に丸めたてぬぐいを差しこみ上向きで乾燥

それでは計測スタートです!

<途中経過>

てぬぐい側は内部が曇りはじめてしまいました。
飲み口部分が塞がれているため水滴が逃げていかないのでしょうか。

【計測終了】期待していただけに、予想外の結果に

てぬぐい乾燥の方は2時間経過時点と大きな変化はなく内部は曇った状態に。
乾燥が見込めないため、ここで計測終了としました。

今回の本命が予想外の結果に……。最後の選手に期待です!

【エントリーNO.5】キッチンペーパーしゃかしゃか

最後は、台所で大活躍の「キッチンペーパー」が登場!
キッチンペーパーがプラティパスの水滴を隅々まで吸収してくれるのでは?という期待が高まります。

【乾かし方】
①キッチンペーパーをちぎって飲み口サイズに丸める
②丸めたペーパーをプラティパスの中に入れて内部に空気を含ませたらフタを閉める
③上下左右にひたすらシェイク

それでは計測スタートです!

<途中経過>

3分ほど振り続けた段階ですでにほとんど乾燥した状態に。
シェイクするときは底をつまんで空気をパンパンにし、上・中・下など部分的に水滴を絡めるように振るとやりやすいです。

【計測終了】これは速い!!しかしとんでもない欠点が……

6分経過時点で乾燥が完了!驚くべき速さです。
ただここからペーパーの取り出し作業に一苦労。イライラしながらピンセットでペーパーを取り出し、トータルで10分ほどかかってしまいました。

【全計測終了】王者の座を手にしたのは…

波乱の第一回プラティパス乾かし方選手権も全計測が終了しました。
栄えある「THE キング of 乾かし方」の名を手にした選手は……


残念ながら、いません!!!
やはりどの乾かし方もメリットがある一方で、デメリットが大きく浮かび上がってしまった印象です。
今回の検証では「これがおすすめ!」と言い切れる方法には出会えませんでした。

メーカーに「正しい乾かし方」と「気になったこと」を聞いてみた

国内でプラティパスを取り扱っている<株式会社モチヅキ>に、「オフィシャルの乾かし方」と「検証をして気になったこと」を聞いてみました。

Q: プラティパスの公式な乾燥方法はありますか?
A: 水気を取った後に直立させ蒸発させる方法になります。

メーカーとしては、この記事の最初の検証でおこなったような「上向き乾燥」を推奨しているようです。
たしかに今回検証してみて、上向きで乾かす方法がいちばん理に叶っている印象を受けました。

Q: 「新品」に比べて「使用済(4年使用)」のプラティパスは乾燥が遅かったのですが、もう買い替え時ですか?
A: 私たちもそんな差があると知りませんでした。しかし「水をためる」というプラティパスの商品性能自体が落ちたわけではないので、買い替えの目安とは一概に言えません。

プラティパスの性能には問題なさそうですが、「乾きにくいな」と感じたら新品を使ってみるのもいいかもしれませんね!

ベストな乾かし方がまだまだありそう!

(青空でポカポカ干されているプラティパスはなんとも愛らしく感じます)

選手権ではまさかの結末になってしまいましたが、最後に今回のまとめです。

世の中にはまだ発掘できていないような乾かし方がたくさんありそうです。
2回目の大会開幕に向け、「これがいいよ」というアイデアがあれば教えてください!

※今回の検証結果はあくまでも”筆者が試した場合の結果”です。その時の天候や使う道具、プラティパスの状態によっても変わってきますので、あくまでも目安としてお考えください。

© 株式会社スペースキー