それほほ初の単独公演閉幕 1期生に聞くライブのこだわりとこれから

9月15日高円寺Highにて、SFCで活動するアイドルコピーダンスユニット「それからふくらむ可愛い頬を、」(以下それほほ)の単独ライブ「Knot End」が開催された。それほほにとっての初の単独ライブであり、ライブハウスには多くの観客が訪れ熱い盛り上がりを見せた。SFC CLIP編集部はライブを終えたそれほほの1期生2人にインタビューを敢行。ライブのこだわりや終えた感想などを聞いてみた。

初の単独 沸く歓声 始終盛況のライブ

UNIDOLとそれほほについて

UNIDOLとは、大学対抗の女子大生アイドル日本一決定戦のことであり、「UNiversity iDOL」に由来している。アイドルのコピーダンスを審査する大会であり、決勝戦に行くためにはエリア予選の突破が必要になるほど大規模なものとなっている。日本のアイドル文化を世界に広めるべく現在も活動の幅を広げている最中だ。今もっとも熱い学生イベントとして話題を呼んでいる大会になっている。それからふくらむ可愛い頬を、はSFCで活動するアイドルコピーダンスユニットであり、2016年11月より活動をしている。1年生から4年生まで所属しており、上記UNIDOLに出場したり学祭に出演したりするなどの活動を行っている。

迎えた単独公演 熱狂の2時間

9月15日に高円寺Highにて、それほほにとって初の単独公演となる「Knot End」が開催された。ライブ時間は約2時間と本格的な長さで行われており、当日会場には学生だけでなく様々な年齢層の観客が訪れていた。セットリストには、それほほが今まで披露したことのある曲に加え初めて踊る曲も含まれており、始終大盛り上がりを見せていた。

1曲目シンクロニシティ 静かなイントロから公演が始まる

セットリスト

  • M1. シンクロニシティ
  • M2. Partyが始まるよ
  • M3. 真夏のセレナーデ
  • M4. =LOVE
  • M5. 12秒
  • M6. 上からマリコ
  • M7. 広告の街
  • M8. OIDEMASE!!~極楽~
  • M9. 気まぐれプリンセス
  • M10. YOZORA
  • M11. チャプチャパ
  • M12. 野蛮な求愛
  • M13. ジッパー
  • M14. 命は美しい
  • M15. バンドワゴン
  • M16. M.O.N.ST@R
  • M17. 心のモノローグ
  • M18. 黒い羊
  • M19. Again & Again
  • M20. 『Z』の誓い
  • M21. 僕らはここにいる
  • M22. 僕の太陽
  • M23. ロマンスのスタート
  • M24. きっかけ
  • En1. ポニーテールとシュシュ
  • En2. 夜明けBrand New Days
  • En3. 走れ!

ライブを終えた1期生に単独インタビュー

後日SFC CLIP編集部はそれほほの1期生のメンバーである、りなとゆりにインタビューを敢行。初の単独公演を終えた感想や、ライブを開催したきっかけ、セットリストの意味、それほほへの想いなどについてお話していただいた。

単独公演は「それほほの集大成」 セットリストのこだわりとは

― 単独公演お疲れ様でした。初の単独公演ということでしたが、開催のきっかけは何かあったのですか?

前々から単独公演をやりたいというのはありました。立ち上げからやってきた私たち1期生が今年卒業してしまうのと、今年で結成3年目を迎えること、周りに応援してくれる人が少しずつ増えてきたこと、チームとしてもだんだん形になっていったことなどが重なって今なら単独公演ができると思いました。全学年がそれほほに所属しているのですが、1年生と卒業してしまう4年生が関われる最後のチャンスなので、今の時期にそれほほというチームに関わった人たちを集めて踊る機会を作りたいと思い開催しました。

― ライブを今振り返ってみるとどうでしょうか?

こんなに幸せな時間があるのかってくらい達成感や充足感に包まれていましたね。単独公演に出演していたメンバー全員が本当にやってよかったって言っていたのは印象的でうれしかったです。実は、単独公演に費やした時間というのはそんなに長いわけではなくて、普段の大会の方がもっと練習時間を取って詰めてやるんです。でも、単独公演が終わった直後の楽屋で座り込んで泣いているメンバーもいたくらい、単独公演のために準備した時間だけではなく、それほほに今まで費やしてきた時間や想いが全部つまった公演になったのかなと思いました。まだ私たち4年生も秋祭や三田祭での出演を控えていますが、今回の公演がそれほほの集大成となることは意識していました。1個の大きい区切りとして今までしてきたことを形にできたと思います。

― セットリストも全部で30曲近くと大ボリュームでした。こだわりはあったのですか?

セットリスト全部を通してカテゴリにわけられていて、最初のオープニング、次にそれほほらしさを表す曲、ユニット曲、それほほの歴史を振り返る曲、そしてエンディングになります。それほほらしさを表す曲では、今まで大会や学園祭でやってきた曲で構成されていて、前から応援してくれる方があの時の曲だなと懐かしむような曲を集めました。
その次のユニット曲では、メンバーがやりたいという曲を選びました。大会ではその人がやりたい曲というよりは、大会で勝つための曲やチームカラーを大事にした曲を大事にしたセットリストを組むので好きな曲ができるわけではないんですよ。でも、単独公演では全員が楽しめたらいいなと思ってそういう時間を作りたいと思いました。だから、本当にごちゃごちゃしてる感じです(笑)

― 押さえている所は押さえているという印象を受けました。ユニット曲の「ジッパー」が終わると、ムービーが流れてそれほほの歴史を振り返るようなパートになりましたね。

そのあとの「命は美しい」から「僕の太陽」までは歴史として伝えたいパートになりますね。大会でやってきた曲やキーポイントになった曲に加えて、その時のそれほほが置かれていた状況やメンバーの気持ちを表す曲が織り込まれています。「バンドワゴン」「黒い羊」「心のモノローグ」「僕の太陽」は大会でしていない曲で、織り込まれた曲になります。例えば「バンドワゴン」であれば、大会の予選4位敗退して辛いけれど、決勝の舞台に立つ夢をおいかけていきたいという気持ちが曲の歌詞と合うので入れています。そのほかの曲も歌詞と照らし合わせて挿入しています。

ファンからのサプライズ 熱狂のフィナーレ

― そして本編最終曲「きっかけ」を迎えました。

「きっかけ」も思い入れのある曲で、それぞれが自分の道を進んでいくという意味合いでやりました。お客さんからのサプライズにすごく感動しました。水色のサイリウムを配っていてくれて観客席をみたら一面青い光が広がっていて…。この曲では泣かないって決めていたけどそれでも客席を見たら感動して泣いちゃいましたね。

― そしてアンコールに入るのですが、ここでもファンが口上を述べてメンバーの名前を呼ぶサプライズがありましたね。

先ほどのサイリウムからこのようなサプライズがあるというのは本当に聞かされていなかったのでびっくりしました。名前が聞こえてきて鳥肌が立ってきたし、楽屋で泣いているメンバーもいたし、本当に嬉しくて震えました。こういう時間も含めて一個の公演になると思っていて、ファンの人も一緒に作り上げてくれているというのが伝わってきたのですごく感動しました。

― アンコールのセットリストも会場が盛り上がれるような工夫がされていたように感じられます。

「ポニーテールとシュシュ」を選んだのは、ピアノで入るイントロがエモかったというのが大きな理由です。当日イントロが中途半端なところから流れてしまうハプニングがあってやばいやばいってなってましたが(笑)
「夜明けBrand New Days」も一番沸いた曲かもしれませんね。同時に一番プレッシャーに感じていました。今の2年生の子が「めっちゃやりたい」ってこだわりをもってやってくれた曲です。メッセージ性も強く、「ばらばらのピースを繋ぐように」という歌詞があるんですけど、それが今までのそれほほらしさを表していて...。普段よっぽどのことがあっても涙を見せないメンバーが、この歌詞の時に泣いていて、それくらいこの曲にはメンバーの気持ちがたくさん詰まっていました!
最後の「走れ」は1年生の子がやりたいって言ってくれていた曲で、最後はそれぞれの道、それぞれの未来に向かって頑張っていこうという思いを込めて選びました。でもそれ以上に全員が笑顔で楽しめる曲で、振りも手を振ってバイバイってしている感じで観客の方にも楽しんでもらえると思いました。

衣装の変化にも目が行く公演 「衣装の演出もめっちゃ大事」

― ユニット曲のパートでは特に衣装の変化にも目が行きましたが、衣装はこだわってやられているのですか?

ユニット曲で言うと「ジッパー」や「野蛮な求愛」は本家に合わせた衣装に合わせるようにしていますね。この単独公演だけでも10種類以上の衣装を用意しました。それでも今までの衣装のほんの一部です。最初の頃は衣装はある程度あればいいかなという風な考えだったんですが、大会で勝っていくためには衣装の演出もめっちゃ大事だなと学び頑張るようになりました。
ジッパーの衣装 本家の曲中の衣装チェンジも再現されている

― 今回のライブのために作った衣装もありましたか?

最初に着たベージュのワンピースに紺と赤の布がついていた衣装は今回のオリジナル衣装ですね。単独のタイトル「Knot End」の意味に合わせて作りました。「Knot End」というコンセプトには思いがあって、来た道も行き先もバラバラだったはずのメンバーが「それほほ」というたった一つ集まった場所、一つになろうとした場所で、もう一度集まりもう一度何かを起こしたい。そして、それが糸の結び目のようだという意味での「knot」と、これからもそういう場所であり続けてほしいという「not end」とを掛け合わせた意味になっています。衣装でもリボンが結び目のように交わっていることでコンセプトを表現しています。
あと、アンコールで着ていたTシャツも今回のためにデザインしました。

1期生に聞く集大成としての感想と、それほほのこれから

今回の公演「Knot End」に合わせて作られた衣装

― 振り返ってきましたが、改めて印象に残っていることはありますか?

(りな)単独公演での出来事は一つ一つが印象に残っていますが、今回は卒業してしまった1期生のメンバーも一緒に出演していて、その子が「本当にやってよかった」って言ってたことです。
卒業する時には沢山の思いがあったと思いますが、単独を通してそう思ってくれたことは単独を開催して、本当に良かったと思った瞬間の一つでした!
(ゆり)印象に残ったことは多かったけど、りなとやれてよかったなって思いました。今までの全てが頭の中にあって、二人三脚みたいな感じでりなを支えていきながらそれほほをやっていこうって思っていたので...。最後は笑顔で終わりたいと思っていたので、それができたのは嬉しいかなと思います。

― 最後にこれからのそれほほはどうなってほしいと思いますか?

(りな)まずはメンバー1人1人が、楽しいと思ってやっていける場所であってほしいなって思います。これから先もそれほほに苦難が訪れることがあるかもしれませんが、そんな時に一緒に乗り越えていける仲間であってほしいなって思います。あとは、後輩たちのやりたいように自分達の色を作って行ってほしいなって思います。
(ゆり)二人で話してたんですけど、やっぱり思いのままにやってほしいと思います。表舞台に立っているときは華やかだけど、ほとんどは裏のことで大変なこともあると思います。でも、自分たちがやってきたことを無理に受け継いだりプレッシャーに感じたりせずに、後輩たちがやりたいと思ってモチベーションをもってできることのために努力をしてほしいです。

― ありがとうございました。

一つの区切りとしての単独公演を終えたそれほほだが、これからも活動は続く。まだ見たことのない学生も三田祭などのステージに赴き、是非アイドル文化の熱さ、それほほの熱さを肌で感じてほしい。

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