少子化で途絶えた「剣舞」 60年ぶりに復活

りりしい表情で剣舞を披露する子どもたち=長崎市、戸町神社

 長崎市戸町2丁目の戸町神社で19日、伝統の戸町くんちがあり、今年の踊町の戸町1丁目自治会の子どもたちが約60年ぶりに剣舞を奉納。見物客から「ショモーヤレ」の掛け声が飛んだ。
 戸町地区の九自治会が毎年交代で踊町を務めている。子どもだけで奉納するのが慣例の剣舞は少子化で1960年を最後に途絶えていた。近年、周辺に新興住宅地ができて子どもの数が増えたため、今回の復活につながった。
 出演した園児や小中学生ら17人は、この日のために約8カ月間練習を積んできた。新調した着物に身を包んだ子どもたちは、詩吟に合わせ「川中島」など4演目を披露。息の合った剣さばきに観客から拍手が起きた。
 約60年前に出演した戸町1丁目自治会の岡本秀栄会長(64)は「令和最初の大祭で復活できてうれしい」と感無量の様子。木田愛兜君(8)=市立戸町小3年=は演技を終え、「みんなと踊れて楽しかった」と笑顔で感想を話した。

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