2019年ワールドシリーズは強力ローテーション対決に

ア・リーグ王者のアストロズとナ・リーグ王者のナショナルズが対戦する2019年のワールドシリーズは、日本時間10月23日にアストロズの本拠地ミニッツメイド・パークで開幕する。近年のワールドシリーズでは、2014年のマディソン・バムガーナー(ジャイアンツ)、2017年のジャスティン・バーランダー(アストロズ)など、エース格の投手の活躍がチームを世界一に導いてきたが、今年は両チームにエース級の投手がズラリと顔を揃えている。強力な先発ローテーションを擁する両チームの対戦は、非常に興味深いものとなりそうだ。

アストロズは、今季ア・リーグ最多勝のバーランダー、最優秀防御率と最多奪三振の二冠に輝いたゲリット・コール、シーズン途中でダイヤモンドバックスから加入して合計18勝をマークしたザック・グレインキーという球界最強クラスの先発三本柱を擁している。一方、ナショナルズにも、サイ・ヤング賞3度の実績を誇るマックス・シャーザー、今季ナ・リーグ最多勝のスティーブン・ストラスバーグ、3年連続2ケタ勝利&2年連続200奪三振のパトリック・コービンという極めて優秀な先発三本柱がいる。この6人全員が今季のメジャー全体の防御率ランキングで20位以内にランクインしており、このようなワールドシリーズは1945年以来74年ぶりだという。また、ナショナルズにはリーグ優勝決定シリーズ第1戦で8回途中までノーヒット投球を継続したアニバル・サンチェスがいることも忘れてはならない。

さらに、前述の6人のうちグレインキーを除く5人は、今季のメジャー全体の奪三振ランキングで10位以内にランクインしている(コール1位、バーランダー2位、ストラスバーグ6位、シャーザー8位、コービン10位タイ)。奪三振トップ10以内の投手が5人も登場するシリーズは、ワールドシリーズのみならずポストシーズン全体でも初めてのことである。また、レギュラーシーズンでの両チーム合計2073奪三振は、ワールドシリーズで対戦する2チームの合計としては史上最多となっている。

これだけの好投手が揃うと、連打で得点を重ねるような攻撃は難しくなるに違いない。勝負どころで飛び出す一発や各先発投手のちょっとした不調や失投が、勝敗の行方を大きく左右するようなシリーズとなるかもしれない。

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