【台風19号】銭湯開放、泥片付け 川崎の浸水地域に支援

入浴が困難になっている人を対象に無料入浴サービスを実施している銭湯=川崎市中原区

 台風19号で浸水被害にあった川崎市中原区や高津区で被災者への支援の輪が広がっている。浸水エリア近くの銭湯は無料の入浴サービスを実施。ボランティアも市内外から続々と集まり、被災した住宅の清掃活動やたまった泥の運び出しなどに奔走した。

 無料開放を行っている銭湯は、中原、高津、多摩の3区の計11店舗。川崎浴場組合連合会が18日から、自宅での入浴が困難になっている人を対象に始めた。

 武蔵小杉駅に近い今井湯(中原区)は台風上陸後、利用者が増えたという。無料サービス開始後の19、20日はそれぞれ約70人がサービスを利用。特に、停電した高層マンションの住民が親子連れで訪れるケースが多いといい、今井湯の松永吾朗さんは(44)「『助かる』との声を聞いており、当面組合で足並みをそろえてサービスを提供したい」と語る。

 一方、川崎市災害ボランティアセンターは15日の開設以降、ボランティア希望者の登録を進め、要望のあった各戸に延べ約400人を派遣。21日も70人以上が中原区や高津区を中心に、水に漬かった家財や泥の搬出などに汗を流した。

 東京都世田谷区の男性(62)は「元々多摩区の出身。居ても立ってもいられず、ボランティアに来た」。自宅周囲の泥の搬出を依頼した男性会社員(57)は「泥を片付ける道具もなく困っていたが、すぐに駆け付けてもらえて大変助かる」と感謝していた。

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