リンゴより赤く蜜入り期待 「細霧冷房」効果調査

細霧冷房装置を使って栽培されているリンゴ

 魚津市六郎丸の県果樹研究センターは、リンゴの日焼けを防ぐ対策「細霧(さいむ)冷房」に、色付きを良くする効果があるとみて調査している。産地の中で比較的温暖な県内では、果汁が増えて甘くなる一方、日焼けが発生しやすく赤い色も付きにくい。消費者に人気の高い「蜜入り」が増えるかどうかも調べる。 (新川支社・松下奈々)

 細霧冷房は、一定の気温を超えると樹上から水を霧状に散布し、温度を下げる。白や茶色に変色し、果肉の変質も起こす日焼けの発生を防ごうと、県果樹研究センターが2015年から4年かけて開発した。

 リンゴの着色がよく進むのは気温15度以下といわれ、細霧冷房によって色付きが良くなる可能性がある。蜜と呼ばれるのはソルビトールという物質で、低温になると糖化せずに残る。蜜自体は甘くないが、よく熟した実に入ることが多く、おいしそうなイメージもあり人気が高い。

 4アールのリンゴ園で調査し、半分は細霧冷房を使い、半分は使わずに栽培している。細霧冷房は、日中で気温20度以上、夜間で15度以上になると霧が出るように設定。収穫後、色付きや蜜入りの割合を調べ、効果のある方法を探る。

 大城克明副主幹研究員(54)は「商品価値が高く、おいしいリンゴ作りにつなげたい」と話している。

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