鋳物づくり楽しんで 高岡・産学官プロジェクトが始動 参加者募る

9月の研究会で鋳型制作に取り組む市民ら

 高岡市の産学官が連携して昨年8月に立ち上げた「やさしい・いものプロジェクト」が今月から本格的にスタートする。市民が一点物の鋳物制作を楽しみ、街中で販売することで鋳物産業の活性化を目指す事業。本年度は参加費を無料とし、幅広く参加者を募る。 (西部本社・村田仁美)

 昨年4月に市と鋳物メーカーの能作、高岡大和、富山大芸術文化学部などでやさしい・いものプロジェクト実行委員会を発足させた。同大の指導を受けながら、市民が能作や市の施設で鋳物作品を制作し、高岡大和で販売する。

 これまで同大で練習のための研究会を2回開催したが、20人程度の定員に満たず、実際の作品制作には至っていなかった。当初は1人4千円程度の実費を徴収する予定だったが、市から同大への補助金「大学・地域連携推進事業費」を活用し、本年度実施分は無料とすることにした。

 希望者は研究会で練習した後、プロジェクト本番に臨む。本番では高岡銅器の主力技法「生型(なまがた)鋳造」で鋳型を作り、専門の職人が鋳造作業を担当する。研究会は10月27日と11月17日、本番は11月10日と12月1日に実施する。来年4月に御旅屋セリオで展示即売会を開く予定。同大の三船温尚教授は「アイデア次第で独創的な作品が生み出せる。気軽に楽しめる事業にしたい」と話している。

 申し込み、問い合わせはは三船教授、メールアドレスはmifune@tad.u-toyama.ac.jpまたは電話0766(25)9111(富山大芸術文化学部代表)。

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