【MLB】ワールドシリーズが23日開幕 アストロズは2年ぶり、ナショナルズは初出場

アストロズのゲリット・コール(左)とナショナルズのマックス・シャーザー【写真:Getty Images】

アストロズは3度目のワールドシリーズ、2017年には初の世界一に

 今年のMLBのワールドシリーズは、現地10月22日(日本時間23日)に開幕する。今年はア・リーグがヒューストン・アストロズ、ナ・リーグがワシントン・ナショナルズ。ナショナルズはワールドシリーズ初出場とあって、今回が初顔合わせとなる。

 ワールドシリーズは1901年に始まり、中止の年があったが今年で115回目。過去の対戦成績は、アメリカン・リーグ66勝、ナショナル・リーグ48勝となっている。

 ヒューストン・アストロズは1962年のエクスパンションで、ヒューストン・コルト45’sとして創設される。1965年にヒューストン・アストロズと改称。新興チームでもあり、当初は弱小だったが、大投手ノーラン・ライアンがエンゼルスから加入した1980年に地区優勝。以後、1986、1997、1998、1999、2001年と地区優勝したが、一度もリーグ優勝できず。しかし、ワイルドカードでポストシーズンに進出した2005年に初めてリーグ優勝を果たし、ワールドシリーズに進出した。

 2013年、アストロズはリーグ間のチーム数の是正のため、ナショナル・リーグ中地区からアメリカン・リーグの西地区に移籍した。移籍当初は弱かったが、2017年から西地区3連覇を果たしている。

 これまでのワールドシリーズ出場は2回。

2005年 ナショナル・リーグ中地区
●● ●● シカゴ・ホワイトソックス

2017年 アメリカン・リーグ西地区
●○ ○●○ ●○ ロサンゼルス・ドジャース

 2017年はドジャースを破って球団史上初の世界一になっている。

 今季はア・リーグ西地区で優勝。地区シリーズはタンパベイ・レイズを3勝2敗で下し、リーグ優勝決定シリーズではニューヨーク・ヤンキースを4勝2敗で退けて3度目のワールドシリーズに進出した。

ナショナルズは初のワールドシリーズ出場

 ワシントン・ナショナルズも新興チーム。1969年にモントリオール・エクスポズとして創設された。本拠地はカナダのケベック州。MLB初のカナダの球団だった。優勝には長く縁がなかったが、1981年に地区優勝。しかし、慢性的な経営難に悩み、2005年に本拠地をアメリカの首都ワシントンDCに移転し、ワシントン・ナショナルズとなった。

 ナショナルズは移転1年目から5割の勝率を記録。2009年には今もエースとして活躍するスティーブン・ストラスバーグをMLBドラフト全体1巡目で獲得。2010年代からはナショナル・リーグの強豪の一角となり、2012、2014、2016、2017年に地区優勝。しかし、ワールドシリーズには出場できなかった。

 今季は東地区で2位に終わるがワイルドカードでポストシーズンに進出。ワイルドカードゲームでミルウォーキー・ブルワーズに勝って地区シリーズに進出。ロサンゼルス・ドジャースを3勝2敗で下し、リーグ優勝決定シリーズではセントルイス・カージナルスを4勝0敗とスイープして、初のワールドシリーズ進出を決めた。

 MLBではインターリーグが組まれているが、地区が違う両チームの対戦は、3年に1回組まれている。アストロズがア・リーグに移籍して以降は7試合だけだ。

2017年 アストロズ1勝 ナショナルズ2勝
2014年 アストロズ0勝 ナショナルズ4勝

 MLBの場合、戦力は毎年大きく変わる。対戦成績はナショナルズの6勝1敗だが、これはあまり参考にならないだろう。

 今季MLB最多の107勝を挙げたアストロズは、バーランダー、コールと2人の20勝投手を擁する。また最先端のデータを駆使するチームとしても知られる。これに対し、ナショナルズはポストシーズンに進出したチームでは最も少ない93勝。レンドン、ソトと強打者がいるが、マルティネス監督のもと、競り勝ってここまでやってきた。

 予断を許さない展開になりそうだ。(広尾晃 / Koh Hiroo)

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