県山岳連盟インド登山隊が苦難乗り越え登頂 ヒマラヤ5500メートル峰

5500メートル峰の頂上で、北日本新聞社旗を掲げる隊員=10日

 県山岳連盟が創立70周年記念でインドに派遣した登山隊は、ヒマラヤ山脈の5500メートル峰に登頂し、約1カ月の日程を終えて帰国した。悪天候や隊員の体調不良などのアクシデントに阻まれ、第1目標のダラムスラ(6446メートル)と第2目標の5890メートル峰を相次いで断念。それでも「4人そろって頂上に立つ」と決意し、苦難を乗り越えた。

 登山隊は9月19日に富山を出発しインド入り。同23日にダラムスラ登山口の村トシュに入った。

 同27日にベースキャンプ(BC、4200メートル)に着くまでは順調だった。しかし予想以上に積雪が多く、日程に遅れが生じる。各隊員は学生や社会人。日程は延長できない。10月5日にダラムスラを諦め、西約8キロに位置する5890メートル峰を目指した。

 同6日にBCを出発し、標高5050メートル地点でテントを張った。8日に5300メートルまで進んだが、武田隊員が風邪の症状を訴え、5050メートルまで引き返した。

 5890メートル峰の頂上はもうすぐ。「(武田隊員を除く)3人で登るか」。一時はそんな話も出た。だが、和田隊長は「ここまで4人でやってきた。全員で頂上に立とう」と提案。近くの5500メートル峰に目標を変え、10日午前5時に5050メートル地点からアタック。5時間後に登頂を果たした。

 頂上付近は、それまでの荒天がうそのような青空が広がった。「きれいだな」。4人はヒマラヤ山脈の山々を見渡し、達成感を分かち合った。

 北日本新聞社が創刊135周年を記念し派遣主催した。富山テレビ放送共催。

5500メートル峰のルートチェックで、深い雪をかき分けて進む隊員=9日
5890メートル峰に向かう途中のクレバス帯を進む隊員=8日
5500メートル峰登頂後に5050メートル地点に戻り、撤収準備をする隊員=10日

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