八村の成功「彼次第」 NBAコミッショナーに聞く 日本遠征 実現したい

開幕戦に向けて練習するウィザーズの八村(右)=ワシントン(共同)

 米プロバスケットボールのNBAで、八村塁(富山市出身)が入団したウィザーズの開幕戦が23日(日本時間24日)に迫った。アダム・シルバー・コミッショナーがこのほどインタビューに応じ、ドラフト全体9位で指名された新人への期待などを語った。

 ―八村のNBA入りについて。

 「日本人が初めてドラフト1巡目で指名されたのは歴史的なことだ。ドラフトの時期に何度か彼に会ったが、素晴らしい選手になる資質を感じた。肉体的にはプロで通用するレベルに達しているし、意欲的で勤勉だ」

 ―成功への鍵は。

 「28年間NBAにいて学んだことだが、このレベルまで来ると多くの場合、成功するかしないかは身体能力ではなく、競技に取り組む姿勢で決まる。八村に才能があることは上位指名が証明している。あとは彼次第。さまざまな誘惑に負けず、選手として成長することに集中できれば、驚くような成功を収めることもあり得る」

 ―かつてNBAでプレーした中国の姚明(ようめい)のようなインパクトを残せると思うか。

 「まだデビューもしていない状況で、殿堂入りした選手と比較して重圧をかけたくないが、潜在能があるのは確かだ」

 ―今季は日本でNBAのオープン戦が行われた。将来、八村がいるウィザーズの公式戦が日本で開催される可能性は。

 「東京五輪が開催される来年はない。だが、ウィザーズの日本遠征はぜひ実現したい。ただ、公式戦とオープン戦のどちらが良いかは、まだ言えない。ファンが公式戦を望むのは分かる。一方でスケジュールにゆとりがあるオープン戦の方が日本で多くの時間を過ごし、交流できる」

 ―日本人選手の可能性について。

 「来年の東京五輪はNBA選手が来日するだけでなく、初めて3人制も実施される。関心を持った有望な子どもたちがサッカーなど他のスポーツではなく、バスケットボールをやりたいと思ってくれたらと願う」

インタビューに答えるNBAのアダム・シルバー・コミッショナー

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