情報持ち出しで 平塚市議を告発へ 市条例違反の疑い

不正に入手した個人情報を選挙活動で利用した可能性があることを会見で認める渡部亮市議=平塚市役所

 4月の神奈川県平塚市議選で初当選した渡部亮市議(40)が市職員時代に市民らの個人情報を持ち出したとされる問題で、同市の落合克宏市長は23日、市個人情報保護条例違反の疑いで渡部氏を刑事告発する方針を明らかにした。今月中にも県警に告発する方向で手続きを進めている。

 市によると、渡部氏は市職員だった昨年11月と退職後の同12月、職場のパソコンから庁内ネットワークに接続、3万件以上の個人情報データをUSBメモリーに複写し、持ち出したとされる。うち一部の個人情報について、市議選の選挙はがき郵送に利用した疑いがあるとしている。

 渡部氏はこれまで、250件分の個人情報の持ち出しを認める一方、選挙への利用は否定。市議会は渡部氏への辞職勧告決議案を可決したが、渡部氏は辞職を拒否している。

 市は9月、情報が持ち出された疑いのある2万人以上におわび状を郵送。市には「議員辞職すべき」「刑事告発すべき」など意見が260件以上寄せられているという。

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