マドン退任のカブス 新監督に2016年世界一戦士のロスが就任へ

日本時間10月24日、関係者がMLB公式サイトのマーク・フェインサンドに伝えたところによると、カブスは球団OBのデービッド・ロスを新監督に任命する方針を固めたようだ。ESPNのデービッド・キャプランとジェシー・ロジャースが第一報を報じ、早ければワールドシリーズの移動日となる明日(日本時間25日)にも球団から正式に発表される見込みとなっている。現役最後の2年間をカブスで過ごし、チームリーダーとして大きなインパクトを与えた男が、今度は監督としてカブスに戻ってくることになりそうだ。

42歳のロスは現在もカブスに籍を置いており、セオ・エプスタイン野球部門社長の特別補佐を務めながらESPNのアナリストとしても活躍している。2015年からの2年間はカブスで控え捕手を務め、若手が多いチームにおいてチームリーダーとして存在感を発揮し、2016年のワールドシリーズ制覇に貢献。現在のカブスには当時のチームメイトも多く残っており、ロスはチームメイトと良好な関係を築いていたため、選手側からもロスの監督就任を期待する声が上がっていた。

ロスは昨オフ、ベンチコーチのブランドン・ハイドがオリオールズの監督に就任した際に、ベンチコーチ候補の1人となっていた。このときは家族と過ごす時間を優先してオファーを断り、ベンチコーチにはマーク・ロレッタが就任。今回はロレッタのほか、一塁ベースコーチのウィル・ベナブル、前ヤンキース監督のジョー・ジラルディ、前フィリーズ監督のゲーブ・キャプラー、アストロズでベンチコーチを務めるジョー・エスパーダらが新監督候補に挙がっていたが、監督経験者やコーチ経験者を差し置いてロスがチームの指揮を任されることになった。

ロスにとって、まだチームに多く残る「元チームメイト」との関係を、いかに「選手と監督」の関係に切り替えていくことができるかという点が課題となるだろう。ワールドシリーズ制覇時のチームリーダーが、名将ジョー・マドンが去ったあとのチームをどのようにまとめ上げるか注目したい。

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