ツシマヤマネコを森きららから関東へ 環境省、繁殖目的で施設間移動

 環境省は24日、国天然記念物ツシマヤマネコの繁殖に向け、全国9施設で飼育されているツシマヤマネコのうち計7匹を年内に各施設間で移動させると発表した。県内では佐世保市の九十九島動植物園(森きらら)で飼育されている2匹が対象で、県外での繁殖に取り組む。
 ツシマヤマネコは現在、全国で計32匹が飼育されている。このうち九十九島動植物園にいる5歳のメスは横浜市立よこはま動物園に、9歳のオスは東京都の井の頭自然文化園に移す。
 これに伴い、九十九島動植物園のツシマヤマネコはオス2匹、メス3匹の計5匹となる。同省は「移動はツシマヤマネコの遺伝的多様性を維持することが目的。9歳のオスについては、井の頭自然文化園で精子を採取して人工繁殖を実施した後、年度内にも再び九十九島動植物園に戻して自然繁殖をする予定」と説明している。

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