マレーシアに点眼剤輸出 東亜薬品と日東メディック

提携先のファーマニアガ社=マレーシア・クアラルンプール

 東亜薬品(富山市三郷、中井敏郎社長)と関連会社の日東メディック(同市八尾町保内、中井龍社長)は来年1月、マレーシアに点眼剤を輸出する。今月、同国政府から医療用点眼剤1品目の販売承認を取得した。薬の有効成分が変化しないよう品質の安定性を高め、高温多湿の熱帯雨林気候に対応した。初年度は5~10万本程度の輸出を目指す。(経済部・池亀慶輔)

 輸出する点眼剤は緑内障治療薬。東亜薬品が日本国内の製造販売承認を持つ製品で、製造と輸出に関する実務を日東メディックが担う。先発品では冷所保存が必要だったが、添加剤を工夫したことで室温保存を可能にした。熱帯エリアでも有効成分の安定性を維持でき、物流コストや患者による冷蔵保管に伴う負担の軽減につながる。

 現地提携先の大手総合医薬品メーカー、ファーマニアガ社がマレーシア国内で販売する。同社と東亜薬品、日東メディックは2017年4月に販売に関する独占ライセンス契約を結んだ。

 県薬業連合会(中井敏郎会長)が日本貿易振興機構(ジェトロ)の支援を受けて同年2月に派遣した「富山-マレーシア薬業交流訪問団」では、中井敏郎社長がファーマニアガ社の工場を訪問するなど、同社と提携に向けた交渉を続けていた。

 日東メディックは、今年7月にミャンマー政府から医療用点眼剤の製造販売承認を取得。マレーシアは海外展開の2カ国目となる。年内には数品目の申請を予定する。同国を足掛かりに東南アジア諸国連合(ASEAN)の市場開拓を加速させる考えだ。

ファーマニアガ社と契約を交わし、担当者と握手する中井龍社長(手前左)=2017年4月、日東メディック

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