定年制廃止など評価 南島原・アパレルオオタが厚生労働大臣表彰 高年齢者雇用開発コンテスト 

縫製作業に取り組む高齢の従業員=南島原市加津佐町、アパレルオオタ

 高齢者が能力や経験を生かして働ける工夫をしている事業者を顕彰する国の「高年齢者雇用開発コンテスト」で、南島原市加津佐町のアパレルオオタ(太田浩二社長)が厚生労働大臣表彰(特別賞)に選ばれた。高齢従業員の専門技術を財産と捉え、今年5月に定年制を廃止したことなどが評価された。表彰式は今月、都内で行われた。
 同社は1987年創業。主に婦人服やベビー服の縫製加工などを手掛けている。従業員は92人。60歳以上が27人で全体の約3割を占める。最高齢は75歳。定年制を廃止したほか、体力低下や健康状態に配慮して65歳以上の従業員は要望に応じて短日・短時間勤務を可能にしたことなどが評価された。
 勤続28年の北村三鈴さん(67)は「職場は明るく、楽しい。体の続く限り働きたい。目標は75歳」と笑顔で話した。創業者で会長の太田信雄さん(71)は「慢性的な人手不足などで縫製業界を取り巻く環境は厳しいが、高齢従業員のさらなる戦力化を目指し、不断の努力を続けたい」としている。
 コンテストは10月の高年齢者雇用支援月間に合わせて、厚労省と高齢・障害・求職者雇用支援機構が毎年開催。今年は101件の応募の中から厚労大臣表彰(最優秀・優秀・特別賞)6件などが選ばれた。

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