フェラーリF1は直近の2戦であるロシアGPと日本GPで勝利を逃したことで明らかに痛手を負っているが、チーム代表のマッティア・ビノットは今週末のメキシコGPで復調することを目指している。セバスチャン・ベッテルは、レッドブル・ホンダは強敵になると予想し、警戒している。
フェラーリはロシアGP決勝序盤にチームオーダーに関するいざこざがあり、リザルトでもメルセデスに敗北。また鈴鹿ではベッテルがスタートに失敗し、バルテリ・ボッタスが首位に出ることを許してしまった。
「この2戦ではもっと良い結果を出せたはずだった。我々は勝利への決意を固めてメキシコに到着した」とビノットはメキシコGPのチームプレビューで語った。
「我々は6戦連続でのポールポジション獲得を目指している。そしてそれを勝利へと繋げるのだ」
「メキシコのコースには足をすくわれるような要素が多くある。こうした要素の一部は、海抜2000メートル以上の場所でレースをするという事実に関連している」
「シャシーとパワーユニットの両面におけるセットアップの微調整が、かなり複雑になる。このコース独特の必須条件に合わせなければならないからだ」
2018年のメキシコではレッドブルが強さを発揮、ダニエル・リカルドがポールポジションを獲得、マックス・フェルスタッペンがレースで優勝を飾った。一方ベッテルと当時フェラーリのチームメイトだったキミ・ライコネンは、リカルドが油圧系のトラブルでリタイアしたことにより、それぞれ2位と3位でフィニッシュした。
「過去数年にわたって、メキシコでの調子が上向いてきている。だが、勝つにはレッドブルを倒す必要がある」とベッテルは認めた。
「差は小さくなってきていると思う。今年はどうなるか、注目していようじゃないか」
「もちろん高地でのレースはマシンの感触に影響が出る」とベッテルは続けた。
「最大のダウンフォースレベルにセットアップしてレースに臨む。けれども海抜が非常に高いところでレースをするので、空気がとても薄く、マシンは実際にはほとんどダウンフォースを生み出さない」
「ロングストレートではシーズン中最速のトップスピードが出ると思うが、それによってコーナーへの対処が難しくなる。物理的に、マシンはほんの少ししかダウンフォースを発生させないからね」
「マシンは安定せず、タイヤを機能させるのが難しい。実際、マシン全体を機能させて適切な感触を得るのは困難だ。1周は比較的短いが簡単ではない」
ベッテルのチームメイトであるシャルル・ルクレールは、昨年F1にデビュー、メキシコGPでの経験は1回のみだ。2018年のレースでは、先頭グループから2周遅れではあったもののポイント圏内の7位でフィニッシュした。
ルクレールは、今年はさらに上位でフィニッシュすることを目指していく。
「あそこではフリー走行からレースまでを1度経験しただけだ。だから僕にとってこのコースは、今でもあまりなじみのないコースのひとつなんだ」とルクレールは語った。
「でもあのトラックで走るのは本当に楽しい。特にウォールがとても近いところにあるのがいい。ドライバーとして、そうしたところが気に入っている」
「メキシコのサーキットは独特だ。高地でレースをするので、どのチームも、マシンが可能な限り最大のダウンフォースを生み出せるように取り組む。それにもかかわらず感触はかなり変わったものになるし、グリップもとても低い」
「雰囲気は最高だよ。コースのスタジアムセクションを走り抜けるのは本当に格別だ。グランドスタンドを埋め尽くす大勢のファンを見ることができるからね」とルクレールは付け加えた。